紫の袖濡らしけり走り梅雨 ／勝美
夏館庭にランプを灯しけり ／勝美
やんごとなき顔に滂沱の汗雫 ／勝美
梅雨の傘何時もの街の常の顔 ／勝美
子に托す戦果待たるる泥鰌鍋 ／勝美
ひねもす俳句
ひねもす俳句：夏身近
味はへばバラの香りの氷菓子 ／勝美
親は子に子は親に添ひ金玉糖 ／勝美
神域の静謐たれと水噴けり ／勝美
フランドルの影と光や夏の雲 ／勝美
花柄の似合ふ娘の初浴衣 ／勝美
ひねもす俳句：線路はつづく
桐咲いて鼻むずむずとしたりけり ／勝美
待つほどに蛍の闇の迫る川 ／勝美
時の日の時ゆつくりと回りけり ／勝美
口ずさむスタンド・バイ・ミー梅雨に入る ／勝美
短夜の壁や落書き消え残る ／勝美
ひねもす俳句：風薫る
マロニエの花の香甘しパリ遠し ／勝美
塀際のファインプレーやサングラス /勝美
日盛りの道ほろほろと急ぎけり ／勝美
火蛾寄りつかず迸る水柱 ／勝美
チューリップ一本脚のフラミンゴ ／勝美
ひねもす俳句：春の花
踊子草カーテンコール鳴り止まず ／勝美
亜麻色の髪の乙女よたんぽぽ黄 ／勝美
桜といへばふるさとの桜土手 ／勝美
菜の花や何なになにと好奇の子 ／勝美
犬ふぐり咲くささやかな自己主張 ／勝美
ひねもす俳句：春弥生
永き日や昼夜煙突立ち通し ／勝美
三椏や頼みにならぬ烏合の衆 ／勝美
草冠なべて芽を吹く辞書の中 ／勝美
新社員はや偸安 の中に在り ／勝美
花種と誰も思はずアーモンド ／勝美
ひねもす俳句：春の陽気
啓蟄の旅ぞろぞろと六部衆 ／勝美
花時の空や果てなきホリゾント ／勝美
白梅の降り継ぐ空の青ければ ／勝美
そこここに雪解の雫花となる ／勝美
目借時肌すり寄せる浮き世風呂 ／勝美
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