ひねもす俳句：夏の夜の夢
Author: pure2
ひねもす俳句：身軽に五月
夏座敷開け竹林の風を聴く ／勝美
ブリアサヴァラン夏痩せ知らぬ食べつぷり ／勝美
彫刻にはたと着きけり道をしへ ／勝美
真菰刈る湿地取り巻く住宅地 ／勝美
開発は身近に迫り源五郎 ／勝美
ひねもす俳句：夏の果
ロボットも意志もて動く明易し ／勝美
行く水の還らぬ流れ震災忌 ／勝美
炎日や劇画の如き世を生きて／勝美
蟬の声しきり廃墟の空重く ／勝美
地球てふ星は破滅へ時計草 ／勝美
ひねもす俳句：一夜の夢
熱戦も冷戦も蚊帳のうちそと ／勝美
立葵チラノサウルス来る気配 ／勝美
青簾秘かにみのるはかりごと ／勝美
子は昼寝見本市めく遊具かな ／勝美
星涼し人みな足を地につけて ／勝美
ひねもす俳句：街薄暑
卯の花腐しいづれ更地となる旧家 ／勝美
百帆のヨットレースに馳せ参ず ／勝美
客足の絶えて久しく明け易し ／勝美
時の日や日暮れの街へ途中下車 ／勝美
夏の夜の夢ガス燈のバーグマン ／勝美
ひねもす俳句：緑さす
即席に誕生祝ふ麦の秋 ／勝美
考へることの多くて薔薇の襞 ／勝美
緑蔭を求むる人の歩の軽し ／勝美
万緑の空は何時でも狭かりし ／勝美
昆虫館を守りゐたりし夏木立 ／勝美
彷徨う春
春陰や紆余曲折は世の習ひ ／勝美
春眠の出口は入り口へ続く ／勝美
春風の穿つや石の寝椅子めく ／勝美
ナルシスに似たり桜の水鏡 ／勝美
花冷や鳴るも鳴らぬも時の鐘 ／勝美
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