ひねもす俳句:イキモノ五態


ドクダミの八重
どくだみの増殖鬱の始めとす /勝美

屋上のミツバチ
みつばちの戸別訪問梅雨晴間 /勝美

猛犬注意
猛犬の尻は隠れずはたた神 /勝美

桜の木に這うナメクジ
なめくじり読めぬ仮名釘流の跡 /勝美

プチトマトのテントウムシ幼虫
やがて着る天道虫の星の服 /勝美

3 thoughts on “ひねもす俳句:イキモノ五態

  1. >どくだみの〜
    どくだみが体に良いと解ったとき、
    一番よろこんだのは、どくだみ自身でしょうね。
    >みつばちの〜
    根こそぎ花粉を持ってくところを見ると、このハチ、
    取り立て屋かも知れませんね。
    >猛犬の尻は〜
    この犬、「猛犬じゃないのに〜」という抗議の気持ちを
    体で表現しているのかもw。
    >脱ぎ捨てし〜
    子供のころ、なめくじを発見すると塩をかけて溶かしていました。
    彼らも殻さえあれば助かったかも知れません。
    >天道虫〜
    見た目、ちょっと不気味なてんとう虫の幼虫、
    トマトをアブラムシの攻撃から防いでくれてました。
    日本代表の川口のように頼もしいやつです。

  2. 句の差し替えがあったので、感想も追加します。
    >なめくじり〜
    火星に巨大な顔を見出したり、
    タバコの写真の煙に心霊を見出したり、
    何かと人間は意味があるのだと思いたがるようですね。
    なめくじにとっちゃいつもの通り道が
    見る人によっては有難いお経に見えるかも。
    >やがて着る〜
    この幼虫、今はまだ、お出かけ前と言ったところでしょうか?
    それとも、アブラムシ食って、お出かけ前の腹ごしらえか?

  3. ドクダミが夏の季語。
    夏前からガンガン増殖する独特の匂いのドクダミは、
    でもただの雑草じゃないですね。
    十薬とも呼ばれて、薬効も多い。
    けど、やっぱり臭い雑草というイメージが。
    よくよく見てみると、けっこうかわいい花なのか?
    そういえば、雨降ってる間はどうしてるんだろう?
    花粉も濡れてて集められそうにないな。
    そんなわけで、ちょっとの晴れ間に、一斉に花に群がるってことになるんだろうか。
    写真には2匹写ってますが、実際はぶんぶんぶんぶん
    たくさんの蜂が飛び交ってました。
    戸別訪問ってとこがグー!
    「はたた神」って何かと思ったら、雷のことなんですね。
    猛犬も雷には弱いってわけですか。
    そういえば、昔うちにいた猫も、雷の日はじっと
    机の下に隠れてたこともありました。
    それにしても、このまぬけな写真からよくこんな句が!
    ナメクジです。殻がないだけでカタツムリとは
    ずいぶん印象が違います。夏の季語。
    殻が無いぶんだけ、カタツムリより強力な粘液で体を
    覆っているらしいので、
    仮名釘流の文字もまた、くっきりはっきりするんですな。
    読めないことには変わらないけど。
    写真のトマトについてる虫は、テントウムシの幼虫。
    変更する前の句は「天道虫アンデルセンの童話めく」
    だったので、きっと「みにくいアヒルの子」になぞらえて
    いるんだろうと思ってました。
    変更後のほうがやっぱりいいですね。
    童話テイストが「星の服」あたりに残っているのもいい。

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