ひねもす俳句:梅雨さなか


駐車場の草花
化物のごとく草伸び梅雨晴間 /勝美

築土八幡近くの坂道
父の日の遊び相手を勤めけり /勝美

ガクアジサイ
息吹き込んで紫陽花を膨らます /勝美

尻尾がちょっと切れたトカゲちゃん
牧神の座の切株を守る蜥蜴 /勝美

玄関前のポメラニアン
ゆゑありて外に繋がれ蚤取粉 /勝美

2 thoughts on “ひねもす俳句:梅雨さなか

  1. >化物のごとく〜
    雨が降ってる間はじーっと
    ちょっと止んだらその隙にニョキニョキ!
    という感じですね。
    >父の日の〜
    ばっちり装備で自転車にまたがる女の子。
    今度の土曜は、〜に行こう!と前々からお父さんと
    約束してたんでしょうねw
    >息吹き込んで〜
    いつの間にかポワポワと咲いていくアジサイの感じが伝わります。
    アジサイってその色あいから、雨が詰まっているようです。
    >牧神の座の〜
    たかがトカゲと侮るなかれ。その後ろには神が居る。
    そういう気持ちが自然を大切に思う心につながるのだなと
    感じる一句ですね。
    >ゆゑありて〜
    写真がなくても、犬のことだと解る句ですね。そこがスゴイかも。
    このワンちゃん、写真では伝わらないかも知れませんが、
    すごく“人”っぽかったです。自分を犬だと思っていない顔をしているのです。
    私が写真を撮ると「何?」って感じで、
    お嬢様のような優雅な表情でこちらを向かれました。

  2. このお化け植物は一体、なんでしょうねぇ。
    雑草にしては大きなナリに、通りがかりながら気になって
    いたのですが、ある日花を咲かせていたという訳です。
    この時期は、ホントひと雨ごとに緑が濃くなっていきますね。
    明日は父の日。
    この「遊び相手」って、女の子の方でしょうかね。
    写真の女の子の歳で、お父さんと遊んであげようと考えたとしたら、
    おませだけど、有り得なくないかも。
    梅雨の花といえば紫陽花。ボールの半分のように、まあるく
    形づくる花を「息吹き込んで膨らます」と見立てたのは新鮮。
    この時期、紫陽花がなかったら、ただのジメジメ季節になっちゃう
    けど、この花のおかげで耐えられるのかも。
    蜥蜴が夏の季語。
    牧神は神話にでてくる上半身は人間で下半身は山羊の神。
    蜥蜴の居る写真の切り株は、本当はただの杭なんだけど、
    主人の留守を蜥蜴が守ってるみたいに想像できる自由さが
    いいと思う。
    蚤も夏の季語。
    「ゆゑありて」が効いてる。たぶん、わざわざ
    言うような理由なんて本当はないんだろうけど、
    あえて故あってと断わりを入れてる感じでしょうか。

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