ひねもす俳句:旅の空

京都西陣ちかくの路地で
はや冬は塀のそばまで来てをるぞ /勝美

ならまちの無人販売所
冬ざるる町や無人の販売所 /勝美

奈良公園の落ち葉
道具立てよし語らひの場の落葉 /勝美

浜松ガーデンパークの殿様バッタ
いのちまだ漲る冬の飛蝗かな /勝美

レンタカーの車窓から
高速路は名残の空へつづきけり /勝美

カーナビ
神の旅カーナビといふ優れもの /勝美

3 thoughts on “ひねもす俳句:旅の空

  1. >はや冬は〜
    この日の京都は、ぽかぽか陽気でしたが、
    確かに冬がそこまできているのも感じました。
    呼びかけのような句というのもめずらしいですね。
    >冬ざるる〜
    奈良というどっちかというと街中での無人販売は、
    神さんへの信心あってこそですよね。
    そういうところで売ってる人と買って行く人にかすかな
    つながりがある世の中であってほしいです。
    >道具立てよし〜
    落ち葉の匂いっていい気持ちです。
    こんなシチュエーションだとまったりお話できそうです。
    落ち葉を焼く匂いもこれまたいいですよね。
    最近は庭先で焼却するのがNGなので、あれですが、
    落ち葉を焼く匂いを嗅ぐと子供のころを思い出します。
    >いのちまだ〜
    これは浜名湖のガーデンパークで見かけたバッタです。
    延命処置ではなく、自然と共に長生きしているのが
    すごく無理ない感じでした。
    >高速路は〜
    日本、しかも、東海・近畿という限られた地方だけを
    旅したのですが、それぞれの土地で空気も違えば、
    空も違っていました。とりあえず、それを体感できただけでも、
    ナイスな旅だったと思います。
    >神の旅〜
    この神様、結構、憶えていることが古かったり、
    ウソを告げてくれたりしましたw
    ただ、これが無いと道を間違えたのも解らないと思います。
    道の指標になるとこは、ホントに神さんなのかも知れませんw

  2. いのちまだ漲る冬の飛蝗、私も板橋区内で発見!
    TANITAの広場の横の鉄製(?)の塀の上に。
    「写真を撮らせてね」と言って携帯を構えたら、
    あまりに小さいので近づけ、近づけ、近づけていったら
    気がついたときには、とーっても近かったみたいで
    殿様、向こう側にのけぞって斜めになってました。

  3. 気持ちより季節のほうが早く過ぎ去って、
    こんないい陽気の秋の日も、味わうそばから冬に変わっていってしまいそうな気がします。
    まして俳句は季節を先取りするし。
    「来てをるぞ」が、スキだらけ(のように見える)の
    おばちゃん3人衆への警告のようでおもしろい。
    身替わり猿1つ350円。人を信用していないと、
    こんな商売はできないなぁ。というか、人を試して
    いるのかも。
    セッティング万全!な秋の公園。秋は特別ですねぇ。
    ただ、写真は奈良公園。鹿フンのにおいも混じってて、
    ロマンチックというよりは、あったか〜い気持ちになりました。
    ふと足元をみると殿様バッタ。
    11月なのにまだいるのか、とそ〜っと撮影。
    長生きせーよ!と勝手な思いを託しつつ。
    暖かい地方では6月頃と秋の2回発生するらしい。
    Yahoo!きっず図鑑:http://contents.kids.yahoo.co.jp/zukan/insects/card/0578.html
    「名残りの空」が季語。
    すごい季語だ。やるな!日本語。
    ただどういう時に使うことばなのか、よくわからない。
    物事の終わりの意味で、大晦日を指したりもするらしい。
    この句では、旅の終わりまで続いているという意味か。
    それとも、直前までいた場所や
    会っていたひととの名残りを惜しみながら進む、という意味か。
    「神の旅」が冬の季語。
    「名残りの空」とともに、私の持ってる
    『俳諧歳時記 冬・新年』には載って無い季語。
    なんでまた「神の旅」なんで季語が?と思って
    検索すると、どうも神無月(11月)で神さまが
    旅に出ちゃってることから、らしい。
    出雲大社にお出かけ中らしいです。
    句では、冬の季語「神の旅」と、
    技術の進歩で神さま並みの自由自在な旅が
    できることとをかけてるんですね。

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