ポンペイの遺骸にも似て蝉の殻 ／勝美
星砂を波の洗ひし今朝の秋 ／勝美
ひねもす俳句：ローマ/ボローニャ
旅人の列車待つ間や合歓の昼 ／勝美
回廊の大暑や柱ゆるぎなき ／勝美
ひねもす俳句：イタリアからの写真
窓外ははや梅雨雲のなき異国 ／勝美
ゴンドリエ棹さすあたり天の川 ／勝美
ひねもす俳句：夏の気配の巻
葉に載せて無花果三つ賜はりぬ ／勝美
雲の峰貧しき町はしづかなり ／勝美
ひねもす俳句：小さきものたちの巻
金魚一匹過保護して太らしむ ／勝美
町内の猫の寄り合ふ夕薄暑 ／勝美
ひねもす俳句：夏の扉の巻
投票に行かうと誓ふ星まつり ／勝美
値札付け替へても西瓜売り残す ／勝美
ひねもす俳句：夕暮れの巻
夕焼やあと一本の釘を打ち ／勝美
夕焼の底より夜の街開く ／勝美
ひねもす俳句：別所沼の巻２
風神像の遠まなざしの先は虹 ／勝美
玄関に読めぬ表札黴の家 ／勝美
ひねもす俳句：別所沼の巻1
逆しまに揺らぐ梅雨入りの木々の影 ／勝美
緑蔭のやしろへ朱き橋渡る ／勝美