ひねもす俳句:梅雨入りの町

階段を一足跳びに汗拭ふ
階段を一足跳びに汗拭ふ /勝美
休憩の祭ばやしの練習所 /勝美
休憩の祭ばやしの練習所
清純は白に行き着く夏椿
清純は白に行き着く夏椿 /勝美
一仕事終へて庫入り半夏生 /勝美
一仕事終へて庫入り半夏生
廃屋となりしよ四万六千日
廃屋となりしよ四万六千日 /勝美

5 thoughts on “ひねもす俳句:梅雨入りの町

  1. 季語の「溽暑」さながらの蒸し暑さ。ひねもす本を郵送するために郵便局へ往復しただけで汗。今回のタイトルは「梅雨入りの町」一句目の階段は地下鉄有楽町線の江戸川橋駅のもの。猫が脱兎の如く駆け上がろうと見極めている様子。こちとらは手すりに寄りかかって一歩一歩がせいぜい。猫のデザインはご承知漱石山房記念館への道標。二句目は北品川一丁目の夏祭りのお囃子かたの詰め所か。大太鼓小太鼓鉦横笛の音色は日本人の郷愁を誘う。三句目は夏椿。沙羅の花。気持ちよい緑の葉蔭の白は清純そのもの。清々しくて気持ちが晴れる。四句目のフォークリフト。季語の「半夏生」はかつてこの日までに田植えを終えるという。下町の家内工業の家の奥からガッシャンガッシャンと音がする。フォークリフトは一仕事終えて一息しているのか。最後の句の四万六千日は鬼灯市。この日に観音に参詣すると四万六千日のご利益があるという。この人すまぬ家にもこの先ご利益があるのだろうか。

    1. 一句目の階段は地下鉄有楽町線の江戸川橋駅のもの、じゃないよ、漱石山房記念館の2階に上がる階段ですよ。

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