ひねもす俳句:覗きからくり

 

炎天に着地を待てる己が影 /勝美
蝉の穴覗きからくり懐かしし /勝美
烏瓜の花のレースをシンデレラ

 

烏瓜の花のレースをシンデレラ /勝美
本能寺焼けてより空夕焼くる /勝美
本能寺焼けてより空夕焼くる
待宵やまだ来ぬ人を道に出て

 

待宵やまだ来ぬ人を道に出て /勝美

4 thoughts on “ひねもす俳句:覗きからくり

  1. 今回のタイトルの「覗きからくり」を実際に見たことはあるでしょうか。昭和初頭まで神社などの縁日で催されていました。テントの囲いに覗きメガネが3個ほど筒先を向けていました。囲いの中には歌舞伎芝居の書き割りがありバタンバタンと場面転換します。左右に男女が竹さおでリズムを取りながら口上を唄い出だす。大抵因果報応ものでした。オドロオドロしくいささか秘密を覗き込むワクワク感がありました。蝉の穴がそのことを思い出させましたので今回のタイトルに決めたわけです。1句目の黒アゲハが自らの影に着地する写真は月面着陸したアポロを連想しました。3句目の烏瓜の花は見事なレース模様ですねえ。シンデレラも魔法の力でレースのドレスを着ていたカモです。4句目の夕焼けの景色はふと本能寺の変の燃え上がる炎も空に映っていたのかもと思いました。5句目の月見草又の名大待宵草が道路脇に乱れている様から待ち人を待ちあぐねて道へ出て様子を伺っていると見たわけです。勝手な連想空想の産物です。

  2.  炎天に着地を待てる己が影 /勝美
    これは、すごいね。観察がただの観察じゃないね。
    写真俳句ならでは。おもしろい視点だと思う。グッドグッド!!

     蝉の穴覗きからくり懐かしし /勝美
    覗きからくりがピンとこなくて、ググったり聞いたりしたけど、
    やっぱりピンとこない。昔はわけのわからない物が普通にあったんだねぇ。
    まぁ、今だってワケわからないもんはあるけど、
    子どもがわくわくドキドキできるようなものがあるのかどうか。

     烏瓜の花のレースをシンデレラ /勝美
    なんでシンデレラ?と思ったのは置いといて、
    カラスウリはホント不思議な花つけますね。
    写真のはもう縮んでしまっているけど、夜にフワ〜っと派手なレースを広げる。
    あ、夜の間だけ変身したからシンデレラ??
    カラスウリの花は蛾を引き付けるための進化らしい。
    シンデレラは王子を惹きつけたね〜!なるほどね。

     本能寺焼けてより空夕焼くる /勝美
    むむ〜本能寺の変か。そこにいくか。たしかに
    夕焼け雲の下でなにかが起こっていそうに見えてくる。
    映像化された想像が文字になった句ですね。

     待宵やまだ来ぬ人を道に出て /勝美
    マツヨイグサ、これは朝の写真なのだけど、道路っ端でたしかに人待ち顔してた。
    それで花越しで道路も写るように撮ってみた。
    なのでこの句はじつは想定内。

  3. あわさん コメントありがと。「覗きからくり」知ってるのは今や80歳以上の記憶にしかないのかねえ。男と女が竹竿でむしろ(?)を叩きながら節をつけて掛け合いで場面の解説するのが大人の世界だったかなあ、と思う。あのような土俗的な文化があったんだねえ。今回のひねもすは想像を巡らせて結構楽しめました。5句目は月見草を読まずに季語の待宵に逃げ込みましたがお膳立てに乗ってしまいましたかねえ。

  4. >炎天に着地を待てる己が影
    地面の影より、そらとぶ姿の方が真っ黒で不思議な感じですね。

    >蝉の穴覗きからくり懐かしし
    思えば、セミの穴を覗いたことありません。
    気になってきましたw

    >烏瓜の花のレースをシンデレラ
    本当に個性的な花ですね。寄って欲しい虫に合わせた形なんでしょうか?

    >本能寺焼けてより空夕焼くる
    本能寺が焼けたあと、その周辺はどんな雰囲気だったんでしょうか。
    いきなり隣のお寺が放火されるなんて、迷惑な話ですね。

    >待宵やまだ来ぬ人を道に出て
    夏の夕方の人待ちは、なんだかいい雰囲気ですね。
    暑くてやられっぱなしだった昼間がすーっと消えていくみたいな。

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