ひねもす俳句:色色の色

ネジバナ
文字摺や使はぬものに観世縒 /勝美

夕焼け

地獄変斯くやの紅蓮河童の忌 /勝美

代々木体育館

夏の夜の夢物語戦士果つ /勝美

青目の猫

猫の目のいや増す青さ夜の秋 /勝美

成増駅

風鈴の百の音色や駅ホーム /勝美

12 thoughts on “ひねもす俳句:色色の色

  1. うらわの俳人様 渓春です。「色々の色」は全て“出色”ですが、選んでいただきます。
    文字摺や使はぬものに観世縒 /勝美
    季語の文字摺と観世縒りを対比させたのが面白いですね。文字摺草の花の色は爽やかなピンクと白のツートンカラー。なぜ紙縒りのように捻じれているのか、以前から不思議に思っていました。多くは左巻きだそうですが、中には変わり者の右巻きもあるとのこと。どこにも異端児がいるのですね。今年の梅雨もへそ曲がりのようで…(笑)
    地獄変斯くやの紅蓮河童の忌 /勝美
    芥川龍之介の小説「地獄変」と「河童」が織り込まれたこの句は面白い。紅蓮の色は文字通り赤い蓮の色、写真は真赤な夕焼け…、龍之介の最期は自殺、天国と地獄にはなにか共通点があるのかもしれないと思ったりしました。
    猫の目のいや増す青さ夜の秋 /勝美
    この貴婦人のような猫ちゃんの見事なサファイアブルーの瞳、ただただ見とれるばかりです。
    風鈴の百の音色や駅ホーム /勝美
    果たして何色ですか?虹色ですか?音色という表現があるように、音に色を感じる「共感覚」を持つ人が実際にいるのですね、うらわの俳人は感じるようですが(笑)。共感覚を持つ人には文字に色を感じたり、音に色を感じたり、形に味を感じたりするそうですが、芭蕉の句にも芭蕉がそうだったとしか思えないものがあります。
    今回も楽しませていただきました。有難うございました。

  2. 溪春さん おはようございます。コメントいの一番にありがとうございます。色色の色を感じ取って下さってありがたいことです。
    今日は獺祭大会案内係りでJR浜松町駅の下見です。明日は吟行、月曜日は発送。火曜日は大会の用務で前乗りです。大会終わる迄気が気ではありません。

  3. 勝美様
    獺祭記念行事の準備作業ご苦労さまです。きっとご苦労が報われることでしょう!!
    今回の「色色の色」、勿論佳句揃いですが、その中でも私の一番好きな句は
    「猫の目のいや増す青さ夜の秋」です。
    秋の空を思わせる猫の目の青さと、秋の気配を感じる今日この頃の夜の雰囲気を余すことなく感じさせてくれます。
    千葉の徘徊老人

  4. 高達さん こんにちは。コメントありがとうございます。猫の青目は高貴な貴婦人めいてますよね。神秘性も感じられます。
    夜の秋という季語に相応しいかと自讃の句です。

  5. こんにちは
    「色色の色」拝見しました。
    先ずタイトルの「色色の色」に惹かれました。
    俳句はまさに色色な色で彩られています。
    紫陽花はもとより梅雨にも色がありますね。
    お蔭さまで拙句集への感想もたくさんいただきました。
    巻頭の「鉄橋の下に空あり初燕」が人気のようです。
    今月のお気に入りです。
    文字摺や使はぬものに観世縒  /勝美
    地獄変斯くやの紅蓮河童の忌  /勝美

  6. 由人さん こんにちは。実験室の句集に感想鑑賞がたくさん寄せられているのもさこそと感じ入っています。コメントありがとうございます。吟行どうぞよろしくお願いします。

  7. こんばんは。吟行ではお世話さまでした。
    初めての場所で良かったです。近くでもう一度行きたいです。
    この縁は尊いものです。来月は帰宅したら
    仕事の連絡入り申し訳ございません。
    文字摺~頂きます。

  8. 文字摺や使はぬものに観世縒 /勝美
    文字摺の花の形から観世縒を連想して、上手く1句仕上げましたね。発想の飛躍とその転換がお見事ですね。
    地獄変斯くやの紅蓮河童の忌 /勝美
     真っ赤に焼けた夕焼けの空から亡者が苦しむ紅蓮地獄に想いを馳せ、地獄変の作者・芥川龍之介=河童の忌に結びつけた発想の転換力には恐れ入りました。
     常々感じてはいましたが、勝美さんの教養の深さを、改めて思い知らされましたね。全く脱帽ですね。
    夏の夜の夢物語戦士果つ /勝美
     代表的なスポーツの陸上競技・サッカー・ラグビー等の「聖地」として様々な歴史を刻んできた国立競技場は、謂わば、日本のスポーツの歴史そのものであります。
     でも、その国立競技場の建替え問題は、困ったものですね。結果的には、各関係者のエゴの集積から、2500億円もの国民の血税が湯水の如く使われて、改築される様ですね。
     今の国立競技場の、この写真を眺めていますと、正に、勝美さんの言われる通り「夏の夜の夢物語」⇒「戦士果つ」。
     全く同感ですね。
    猫の目のいや増す青さ夜の秋 /勝美
     この猫は、何か品格が有って、格調の高そうな猫ですね。きっと、ペルシャ猫の血統を受け継いだ、由緒ある猫なのでしょうね。
     私の家にも、この猫とは、似ても似つかぬ、雑種の年老いた白と黒の猫が居りますが、その様な猫でも、その目をジッと見ていますと、今はまだ夏なのに、何かしら、秋の気配を感じさせられます。本当に、猫って、不思議な動物ですね。
     季語の「夜の秋」は、この「青い目の猫」にピッタリですね。
    風鈴の百の音色や駅ホーム /勝美
     風鈴と言うものは、ガラスとか、金物とか、焼き物とかの、作られている素材とか、形とかによって、千差万別の音色が出るものですが、この駅には、キッと、色々な風鈴が吊るされているのでしょうね。
     私たちは、日頃は、忙しさに紛れて、つい、うかうかと聞き流してしまい勝ちですが、勝美さんは駅の殺到の中でも、しっかりとその音色の違いを受け止めて、上手く1句に仕上げましたね。勝美さんのその感性の鋭さに感服しました。
     お見事でした。

  9. ひつじさん おはようございます。今回の吟行も何時ものように楽しく勉強を深めることができ意義ある一日でした。嘗ての仲間の消息の一端も伺えてよかったです。来月は残念ですね。

  10. 喜信さん おはようございます。一句一句を懇切にコメント下さって
    ありがとうございます。励みになります。そして大会をよろしくです。
    横浜句会は欠席されるとのことで、残念です。

  11. 勝美さんへ
    おはようございます。
    なでしこ勝利で気分の良い朝です。
    「色々の色」のご紹介有難うございました。
    先ずタイトルの「色々の色」に惹かれました。「色々な色」「色いろいろ」と微妙な差がありますね。
    5句中特に柿の2句を。
    ◆文字摺や使はぬものに観世縒 /勝美
     現在見る事も少なくなった観世縒と文字摺の共に捩れた古語?の組合せ、ひっそりと残っている風情への着目が良かったです。
    ◆地獄変斯くやの紅蓮河童の忌 /勝美
    鮮烈な写真にぴったりですが、写真が無くとも芥川龍之介の一生に即した内容の1句ですね。感心しました。

  12. 要介さん おはようございます。なでしこめでたく勝利しましたね。
    この勢いで決勝戦へ突き進んで結果を出して欲しいものです。
    コメントありがとうございます。観世縒りといえば昔じいさんが煙管の羅宇掃除に使っていた記憶があります。ホチキスやクリップの無い時代の代物ですね。芥川の俳句といえば目刺の句でしょうか。

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