ひねもす俳句:春、始まる


白い空と白木蓮
白木蓮の高きは雲に届きたり /勝美

用水路に咲く桜
句碑の字をなぞる指先花の冷え /勝美

ゆれる柳
青柳の水には遠き枝の丈 /勝美

ゆれる芽柳
風つかむには幼くて柳の芽 /勝美

魚肉ソーセージ
装ひを剥けば均一新社員 /勝美

2 thoughts on “ひねもす俳句:春、始まる

  1. >白木蓮の高きは〜
    青い空をバックに撮りたいところですが、
    曇り空の鈍い色に栄えるモクレンの花。
    これはこれで、いい味わいですよね。
    >句碑の字を〜
    「良い桜だなぁ」と一句ひねろうと近づくと、そこには句碑が。
    ずっと前の時代にも同じように思ったやつがいるんだな…
    そんな春先の夕暮れでしょうか。
    >青柳の〜
    水の青と柳のあお。付くか付かないか、
    いい感じの長さの柳を揺らす風。
    >風つかむには幼くて〜
    広がった柳の枝は、確かに風を掴もうとしている
    手のように見えますね。
    掴んだ砂がさらさらと手の平から落ちていく時のように、
    柳も気持ちいいのかも。
    >装ひを剥けば〜
    確かに。これからどう熟成していくかが楽しみなのかも。
    カビてしまうのもあるでしょう。
    でも、実はそのカビの下ですごく芳醇なうまみが
    できているかも知れません。チーズみたいに。

  2. 白木蓮と書いてハクレンと読むそうです。
    白木蓮の薄クリーム色の花びらには、よく晴れた空が似合う。
    写真のような曇り空との組み合わせは、空の白に溶け込むようで
    また違った印象。
    句碑…私はめったにお目にかからないというか
    あってもたぶん気づかないんだろうけど、
    所縁の地のあちこちにあるみたいですね。芭蕉のとか一茶のとか。
    何を思って句碑の文字をなぞるんだろうなあ、
    そうさせる気持ちを感じてみたい気もします。
    別に俳句じゃなくても。
    柳。
    春になると花が咲くばかりじゃなく、木々の新芽が
    開き出して、風景が一気にイキイキしてくるのが嬉しい。
    まだ伸びきっていない若い枝も、しばらくしたら
    下の川面に届くくらいになるんでしょうね。
    柳の芽、芽柳が季語。
    もうホントに!この時期の柳は綺麗でたまりません。
    風になびく枝を眺めてたら半日過ごせそうなくらい。
    写真からこの句が導き出せる、作者の観察眼がすごいと思う。
    観察と連想力かな。
    ちなみに、夏になったら葉柳が季語。
    キレイなもんばかりじゃなく、こんなモノで句は作れるの?
    と送ってみた魚肉ソーセージ(8本100円!)の写真。
    なるほどね!行儀よく真直ぐならんだソーセージを
    新入社員に見立てたわけですか。
    装いも均一だけど、というツッコミはこの際置いておきましょう。

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