ひねもす俳句:春の花々


夜桜
夜桜のための雪洞はや灯る /勝美

バイモ
敬虔に祈る姿や花貝母(ばいも) /勝美

イカリソウ
みづからを繋ぎ止めゐし錨草 /勝美

アネモネ
アネモネや風の便りの故郷のこと /勝美

ひなげし
潮騒やひなげし揺るるばかりなり /勝美

3 thoughts on “ひねもす俳句:春の花々

  1. >夜桜のための雪洞はや灯る
    暖かいですね〜。今年の春は、突然やってきました。
    突然の来客は家を掃除してないので、かなりイヤなのですが、春は突然やってきても問題ありません。というか、うれしいですw。
    >敬虔に祈る姿や花貝母
    神さまが何にも言わないもんだから、いい気になって悪さをしてるおっさんが捕まりました。ヤツよりよっぽど、バイモの方が敬虔ですね。
    >みづからを繋ぎ止めゐし錨草
    地に生える植物。そこに、DNAを伝える強い姿を感じることがあります。
    >アネモネや風の便りの故郷のこと
    故郷のある人間にとって、そこでの事件がニュースで放送されると、ちょっとドキドキします。そういう気持ちを感じられるのも、大切なことだと思います。
    >潮騒やひなげし揺るるばかりなり
    揺れるひなげしをじーっと見てると、大きな波の音が一瞬消える…。そんな映像が頭に浮かびました。

  2. 青空の下の桜も晴れ晴れとしていいですが、
    雪洞に照らし出される桜も、ひっそりときれい。
    写真の桜は雪洞(ぼんぼり)じゃなくただの街灯でしたが。
    ちなみに、今回の花の写真はみな、デジカメのファインダーを見ずに撮ってみました。
    なのでピントが合ってなかったり、バランスが悪かったりします。桜以外はトリミングも色加工もなし。
    その花の気持ちで撮ってみよう、というか、
    植物本人達は自分の姿を、私達が客観的に見てるようには認識してないだろうなと、ふと思ったりしたので。
    どうでしょうねぇ。
    そんなわけで、バイモ。
    「もっと上から撮ってくれたら、
    うなだれて咲く様子が祈る姿に見えたのに」
    と、作者にガッカリされたりしてます。
    たしかに、下向きに咲くのが特徴。
    だけど、花の内側の編み目模様もまた特徴的。
    イカリソウの花は舟の錨に似た面白いかたち。
    多年草だから、花が終わり葉が枯れても
    また次の年の春には、また錨に似た花を咲かします。
    引越ししたいと感じてるかも!
    アネモネはなんとなく少女マンガにでてきそうな風情。
    作者にとってそんなに馴染みのある花ではなさそうなのに、
    なぜこう作ったのかフシギでした。
    アネモネの語源がギリシャ語の「風」だと知って、なのかな。(風の精の化身とも言うらしい)
    どういうわけか、早とちりで
    アヘンの素と思い込んで、このケシの花もおっかなびっくりそっと見てた子供の頃。
    花はきれいなんだけど、毛のはえた茎やツボミがいかにもヤバそうで。
    句のほうは、まだ人のいない海を見下ろす丘の上、に
    群れるヒナゲシの情景が浮かびました。

  3. 夜桜のための照明はさくらにとって迷惑だろうな。
    ばいもの咲くさまは、蔓をなにかに縋ろうとするかにのばし、うなだれ、祈っているようだ。
    錨草は、むかし高尾山の小仏あたりの茶店で買い求め
    自宅に植えたのが、いまも生き着いている。
    アネモネが風の精であることは知識の中にありました。
    ヒナゲシは、宮崎の青島の植物園に咲き乱れていたのを思い出しました。青島の鬼の洗濯岩の映像が、浮かびます。

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