ひねもす俳句:時は過ぎゆく

名月や涙止まらぬ巌窟王
名月や涙止まらぬ巌窟王 /勝美
秋霖の銀糸は水輪織りにけり /勝美
秋霖の銀糸は水輪織りにけり
ハロウィンや味画一の規格品
ハロウィンや味画一の規格品 /勝美
秋袷さらりとぼろを脱ぎ捨てて /勝美
秋袷さらりとぼろを脱ぎ捨てて
鈴なりの銀杏落つる時期待てり
鈴なりの銀杏落つる時期待てり /勝美

「ひねもす俳句:時は過ぎゆく」への2件のフィードバック

  1.  早いものでもう9月も終わり。なんとなくその日その日を無為に過ごした感が否めない。さて1句目は中秋の名月。巌窟王と取り合わせてみました。昔、黒岩涙香の訳でワクワクゾクゾクした少年時代がありました。主人公の飲むハシッシなる緑のとろりとした液体(麻薬らしい)に惹かれました。幽閉された主人公は月を眺めることはなかったろう。2句目は蜘蛛の巣。網が水面に見えた。縦糸があたかも秋の雨。ということで小綺麗にまとめてみました。3句目は菓子屋の店頭に並ぶハロウイン目当ての練り切りのあんこ細工。味は一様に甘いだけのものだろう。何でも商売に取り込むのは今に始まった事ではない。4句目は葛の葉。相当虫に好かれたのか見事な虫食いあと。時期的に秋の衣替え。秋袷を取り合わせたものの袷着る人は少数派かも。最後の句は銀杏の実。そのまんまで何の捻りもないがこれでご勘弁を。

  2.  名月や涙止まらぬ巌窟王 /勝美
    巌窟王を読んだことがなく、ピンとこなかったのですが、
    このモンテ・クリスト伯は、 無実の罪で14年間孤島の牢獄に閉じ込められた実話を元にしているとか。
    さきほど無罪確定した袴田さんが冤罪で48年間も獄中にいたことを思うと、14年なら短いと思ってしまう。
    巌窟王の14年は取り戻せるけど、58年間は取り戻しようがないな…

     秋霖の銀糸は水輪織りにけり /勝美
    女郎蜘蛛の巣は、伝統工芸作家の作品のような出来栄えで、
    見事としかいいようがない。
    水面に立った波と雨に見立てたのは、いいですね。
    蜘蛛の巣を撮っただけの写真が、あたかも北斎の浮世絵のような風情を帯びて見えてくる。

     ハロウィンや味画一の規格品 /勝美
    売らんかなの商品ですね〜!
    でも、味はわかってても見た目で買っちゃう消費者心理を上手に利用してて賢い。
    乗せられてるのをわかってて買ってるんだから、文句はないでしょうね。
    私は買ってないですよ!

     秋袷さらりとぼろを脱ぎ捨てて /勝美
    この時期まだ袷は暑い!11月でも単衣じゃないかな?
    ウリハムシの一種が食べたようです。葉脈だけを残してやわらかいところだけ食べる。
    レースのように見えなくもないけど、ボロのほうが近い!

     鈴なりの銀杏落つる時期待てり /勝美
    まさにそんな感じ。
    銀杏はたいてい匂いで気づいて、地面を探すので、あんまり樹上に成っているところをみたことがなかった。
    写真のようにスズナリにびっしり実がついてるんですね。
    もうそろそろ季節が進んで、落ちてくる頃かな?

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