ひねもす俳句:何が出るかな

職退きし日の花束や冬薔薇

職退きし日の花束や冬薔薇 /勝美

ゆく年や花道花に飾られて /勝美

ゆく年や花道花に飾られて
エッシャーの沈む階段聖樹浮く

エッシャーの沈む階段聖樹浮く /勝美

幹を這ふ光痒しよ冬木立 /勝美

幹を這ふ光痒しよ冬木立
クリスマスパンドラの匣開けやうか

クリスマスパンドラの匣開けやうか /勝美

4 thoughts on “ひねもす俳句:何が出るかな

  1. 気温が冬型寒波でブルブルです。「何が出るかな」1句めの職退きし日はもう33年前となりました。花束はもらった記憶があります。気恥ずかしく電車に乗ったのも懐かしいことです。2句目の落花繚乱の地面は美しいです。ゆく年を飾るにふさわしいかと思います。3句目のビル内のクリスマスツリーが設置されている床の模様はまさにエッシャーの沈む階段です。聖樹の鉢が浮いて見えます。4句目の立木に電飾がはわせてあるようですが、チカチカと幹がむずかゆくなるのでは、とお節介なことを思ってしまいました。情緒に欠ける句ですかねえ。5句目のタヌキの顔のついた箱がパンドラのはこを想起させました。中に何があるのか、何が出るかなとタイトルになってしまった次第です。

  2. 職退きし日の花束や冬薔薇 /勝美
    定年退職って、定年の年齢になった日の月末でしょう?
    私は定年のない職業に就いているので今後その経験はないだろうけど、
    花束貰っていつもの電車乗って帰るのは、ムズ痒そうですね。
    バブルの頃、たかだか1年半程度のバイトを辞める時、花束貰いました。
    私のイメージで花を選んでくれたそうで、今から思うととても有り難いことだなぁと。
    花束の持つ特別感は独特だなあとも思います。普段から常に家に花を飾るタチではないのでより、そう思うのかも。

     ゆく年や花道花に飾られて /勝美
    花じゃなくて紅葉の葉なんだけど、美しいですよね。
    「千代紙みたい」とこの写真見た人が言ってました。
    自然が生んだデザインから人は模倣で美を作り出しているわけですからね。

     エッシャーの沈む階段聖樹浮く /勝美
    なるほど。言われてみると、階段に見えてきた。
    周りの人物もまるで階段を下がっていたり昇っていたりするような。
    でもこれ、写真がないと何の句だかわかりませんね。

     幹を這ふ光痒しよ冬木立 /勝美
    痒そうに見えましたか。うちの中2は熱くないのかな?と言っていました。
    多少熱くも痒くもあるかも知れませんが、誇らしげに見えるかな。
    こうして光を這わせてみると、改めて樹の幹や枝の形の美しさが際立つように思いました。

     クリスマスパンドラの匣開けやうか /勝美
    四角いから箱に見えたようですが、箱じゃなくケーキです。
    とは言っても、たぬきケーキの形をしたガチャガチャです。
    タイトルの「何がでるかな?」は、ガチャガチャをする時にも思うことなので、
    勘違いが1回転してちょうどよく収まった感じ?!
    パンドラの函だとわかってたら開けないで欲しい!!

  3. コメント ありがと。退職の日に花束をもらえるなんてそれだけで幸せだよ。鼻にもかけないのなら塩を撒かれておしまいかもだからね。電車では素知らぬ態を装ったものだった。花道の飾りは山茶花の落花と落ち葉なのかもしれないけど。とに角日本的情緒があるねえ。エッシャーは展覧会へ行ったことあり、カタログも買いました。目の錯覚を上手に作品化して飽きないねえ。確かに写真がなければ解りづらいかもね。幹を取り巻くライトにブツブツの肌を感じて痒いだろうかなあと感じた次第。パンドラの匣は1句にしてみたかっただけだけど、クリスマスプレゼントならきっと開けちゃうかもね。開けてびっくりだ。

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