ひねもす俳句:化けそうな春

陽炎やケーキの狸化けさうに
陽炎やケーキの狸化けさうに /勝美
影落とすコロナウイルス春深し /勝美
影落とすコロナウイルス春深し
レプリカは煮炊きのならず春愁ひ
レプリカは煮炊きのならず春愁ひ /勝美
朧夜や夢乗せ電車疾走す /勝美
朧夜や夢乗せ電車疾走す
アルテミス女神の乳房風光る
アルテミス女神の乳房風光る /勝美

5 thoughts on “ひねもす俳句:化けそうな春

  1. 「化けそうな春」について一言。洋菓子には動物をかたどったケーキがあるが、ケーキ屋さんの遊び心か、子供向けを狙った商略なのか、食べてしまうのが可哀想と思うものもあり、和菓子ではひよこがそうかも。こちらの狸は食べると化けて出てきそうな面構え。中身はカステラ風味か。人気のない商店街はシャッターではなさそう。なんだか異空間的です。紙製の鯖。写真製版の厚紙だろうか。切り取って立体的に膨らみをもたせてある。立体模型化。4句目の驀進する電車の上に月が顔を見せ、踏切の点滅と矢印マークと配置が面白い。最後の多肉植物、セダムの写真をつくづく眺めるうち、乳房をたくさんぶら下げているアルテミス女神を想起した。季語がたくさんの乳房を揺らし、光らせているように思えたのだった。

  2. たぬきケーキについて。たいていのたぬきケーキの中身はバタクリームですよ。
    全体じゃなく頭の中身。下(胴体)はスポンジケーキになっているのが多いかも。
    下赤塚にもたぬきケーキを売っているお店があって(フランス製菓さん)、珍しいなと思ったら、全国にもほぼ同じような作りのたぬきケーキが存在するらしいです。
    製菓学校で習うのかも。
    こんど買っていこうか?

  3. 朧夜や夢乗せ電車疾走す

    夢とは膨らむものと解釈しています。従って具体的な夢の
    内容は解りませんが、夢の曖昧模糊としたところが季語の
    朧夜と相まって相乗効果を出しています。

    アルテミス女神の乳房風光る

    ベルサイユのアルミテス像では乳房は見えないが見えると
    断定する虚も納得。アルテミは女神の原像ともいわれ着衣
    の流れるようなドレープが美しい。正に季語「風光る」は
    言い得て妙。上手ですね。

  4. あわさん コメントありがとさん。製菓学校の科目に狸のケーキの作り方などあったら楽しいなあ。中身がバタクリームとスポンジならあまり食指が動かないねえ。

  5. 高山邦夫さん コメントありがとうございました。素直に嬉しいです。しがないひねもす俳句に目を通してくださって恐縮です。励みになります。

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