ひねもす俳句:秋の佇まい

ピラルクはパンに雀は蛤に
ピラルクはパンに雀は蛤に /勝美
露けしや神妙に聴くクラシック /勝美
露けしや神妙に聴くクラシック
腰骨をそろり伸ばされ生身魂
腰骨をそろり伸ばされ生身魂 /勝美
流燈や終の生命の尽くるまで /勝美
流燈や終の生命の尽くるまで
鳥渡る空や真綿のちぎれ雲
鳥渡る空や真綿のちぎれ雲 /勝美

5 thoughts on “ひねもす俳句:秋の佇まい

  1. 八月最後のひねもす俳句です。1句目は足立区生物園でのもの。実物の巨大なピラルクが遊泳していました。パンの中身は2本のウインナーでした、普通に美味しかったです。2句目のプルーンの水滴から露けしと言う季語を想起しました。居住まいをただしてクラシックを聞いているように思いました。3句目のクレーンの折れ具合が老人が腰を伸ばす様に思えました。4句目のろうそくは何なのか知る由もありませんが、灯籠流しもろうそくが灯されているのだろうなあと関連付けました。5句目の雲いっぱいの空はまさに秋の空ですねえ。もう秋の気配が感じられます。

  2. ピラルクはパンに雀は蛤に /勝美
    シュールだなぁ!体長3メートルものピラルクが20センチ足らずのパンに。
    しかも脱力系の顔つきになって。
    ソーセージが実はピラルク肉だったりして!

    露けしや神妙に聴くクラシック /勝美
    プルーンとクラシックがどう結びついたか分からないけど、うーん、そうだなぁ…。

    腰骨をそろり伸ばされ生身魂 /勝美
    これはわかる!作者の解説を聞かなくても全然。
    頑丈なクレーンが痩せこけた爺さんに思えてくる。
    ってことは、プルーンの句は読む側でパッと世界が拡がらないのが問題点かしら。

    流燈や終の生命の尽くるまで /勝美
    このロウソクは、理科の実験で使ったもの。物質が燃える色を見てみよう、ロウソクの炎も黄色、赤、青っぽいところ、透明なところと色々あるね、と。因みに銅は緑色、塩は黄色い炎になるよ。マグネシウムなんて白いけどシュンシュン飛ぶよ。
    というわけで、静かに燃え尽きるばかりじゃない。人も物質(元素)も様々だねぇ。

    鳥渡る空や真綿のちぎれ雲 /勝美
    眼鏡市場の看板がジャマといえばジャマですが、見事な雲でした。いちめんの雲畠。
    句も秋の風がサァッと通り抜けるような爽やかさがあっていいですね。

  3. あわさん コメントありがと。生物園はこじんまりしてるけれど面白く過ごせました。十月か十一月に吟行することにした。楽しみだなあ。ピラルクといえば開高健の写真集オーパを思い出すねえ。すっかり開高は過去の人になってしまったみたいだけれど、繊細で豪放だったねえ。ベトナム戦争も昔語りだねえ。プルーンの句は無理筋だったかねえ。これはこれでとっておいてください。クレーンは見立ての句で生身魂に引っかけただけのものです。ろうそくの炎の観察かあ。いろいろのいろが見られるのだねえ。最後の句の写真は秋だなあと思える空の佇まいだねえ。いろいろ思いが巡る空の様だねえ。

  4. >ピラルクはパンに雀は蛤に
    雀が蛤になっているって最初に誰が言ったのか気になります。
    科学が発展せず、モノの理がわからない時代が続いていたなら、
    いろんなものが、別にものに化けていたんじゃないでしょうか。

    >露けしや神妙に聴くクラシック
    食欲と芸術を満たす秋ですね。

    >腰骨をそろり伸ばされ生身魂
    生身魂というのを調べてみると、なるほどそういうことなのですね。
    実家ではそういうことをした記憶がないので、ちょっとびっくりです。

    >流燈や終の生命の尽くるまで
    落語の「死神」を思い出しますw

    >鳥渡る空や真綿のちぎれ雲
    空を見て季節が変わるのを感じるのは、原始人の時代からずっと変わらないのでしょうね。

  5. のうそうさん コメントありがとうございます。スズメが蛤になるという季語は斬新ですよねえ。鷹が鳩になるというのもあります。こちらは春の時候の季語ですが。生身魂というのも変わった季語です。俳句のおかげで知った言葉です。流灯の句から落語へ飛んでしまったなんてさすがですねえ。秋の空は他の季節の空では味わえない趣がありますねえ。地上は変化が著しいですが空は雲が形を変えるぐらいでしょうか。

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