ひねもす俳句:色色の影 2015年8月24日2015年8月24日 pure2 ひねもす俳句 転生の夢は束の間明け易し /勝美 声上げて蝉のたましひ呼び戻す /勝美 河童忌の火花五彩に噴き上がり /勝美 七十年前の影追ふ終戦日 /勝美 動かざる遊具影曳く夏の果 /勝美
>転生の夢は束の間明け易し 蝉は地中で何を食べているのでしょうか?思えば自分の知らないことばかりです。そして、知らないこと自体に気づいていないことばかりです。 >声上げて蝉のたましひ呼び戻す セミの密度のせいなのか、田舎にいるときより、東京にいるときの方が、セミの抜け殻を見つけることが多いです。 >河童忌の火花五彩に噴き上がり 「河童忌」は季語ですが「カッパ」自体は季語じゃないようですね。芥川龍之介が存在したことによって、カッパが俳句の中に登場できたと思うと、ちょっと不思議な感じがします。 >七十年前の影追ふ終戦日 私は広島生まれなので、8月6日は登校日でした。その日は、学校に行くのが嫌ではなく、むしろ、夏休みで顔を見なくなったクラスの子に会えるのが楽しみでした。 >動かざる遊具影曳く夏の果 自分がこどもの頃に遊んだ公園の遊具は、すでに新しくて安全なものに変わっています。その頃の影を見ることはもうないのでした。 返信
のうそうさん こんにちは。ひねもす俳句を通じて、のうそうさんの内面世界をご披露下さってありがとうございます。羽化の蝉も亡骸の蝉も詩心を呼び起こします。竜之介は河童の絵を描いてますよね。 又吉の受賞作火花は噴き上がる人気ですね。終戦の日にはまさか、のうそうさんは生まれてはいなかったでしょう。70年前の影は亡霊のようなものです。 返信
[動かざる遊具影曳く夏の果] 夏休みも終わりに近づき、遊ぶ子らも日ごとに少なくなりつつある公園の夕暮れ時、子らの帰った後の、遊具の影が静かに目に沁みる。どこか寂しい夏の果て。その光景が、心に響きます! 返信
うらわの俳人様 モバラ座の俳人渓春です。今日は台風の大雨で電車が止まっています。昨日出かけましたが交通トラブルの難を避けられました。最近はたまにしか出かけないのですが高い確率でトラブルにあいます。つい最近も千葉駅構内で女高生がダイビングして大変な騒動になっているところに遭遇しました。なんと言って良いのか、言葉を失います。 さて、以下いただきです。 転生の夢は束の間明け易し /勝美 輪廻転生は生きとし生けるもの全てにあるのでしょうね。数日まえ、庭に出ていた時、ジイジイと桜の木で鳴いていた蝉が突然私の肩に急降下してぶつかりました。そして地面に落ちて仰向けになってバタバタと…。蝉は私の肩をたたいて何かを訴えたかのでしょうか、あぁこの蝉もこれで一生を終えるのか、と思いました。7年間地中で生き、地上で7日間生きる、蝉のピンコロにあやかりたいものだなどと、余計な事を思ったりして。 声上げて蝉のたましひ呼び戻す /勝美 一句の続編のような気がしました。女の子は一体何を叫んでいるのでしょうか、蝉の死骸を沢山膝に乗せていますね、もっと小さな子供もいます。不思議な像です。蝉の霊に向かって「蝉君アリガトウー、天国に行ってねー」かな、いや呼び戻すというのですから「またこの世に戻ってきてねー、待ってるねー」かも。 河童忌の火花五彩に噴き上がり /勝美 噴き上がりが効いています。花火の五彩色は夏の風物詩でひと時見る人の命を奮い立てます。最近活発になっている火山の噴火は天災ですが天津爆発は人災です。大都会にクレーターが出現なんて、全く人災も極まれり、です。 動かざる遊具影曳く夏の果 /勝美 子供の声がない公園、さびしい光景です。猛暑とはいえ夏は夏の良さもありました。それも終わりですね、有難うございました。 返信
溪春さん おはようございます。同人会事務局長・運営委員の武さんの急逝に驚きました。次を担うのは貴方です。期待します。さて、何時もコメント楽しませて頂いています。天災人災頻発のこのごろ、うっかり出来ないですね。朝晩の急速な気温変化も束の間でしょうか。時々の俳句を楽しく詠めればそれでよしとしましょう。 返信
こんにちは 色色の影を読ませていただきました。 このところすっかり秋の涼やかな風になって きました。 このまま本当に秋になって行くのでしょうか 想像できません。 いつもの年ならもう一度残暑がありそうです。 八月も終章ですがもう秋を詠んでいいですね。 今回のお気に入りの二句です。 声上げて蝉のたましひ呼び戻す /勝美 動かざる遊具影曳く夏の果 /勝美 返信
由人さん おはようございます。今日は早くも9月号の発送事務で印刷所へ出かけます。まだまだ暑さはぶりかえすでしょうか。コメントありがとうございます。呼べど帰らぬ蝉の魂です。蝉の魂はきっと蝉の穴から黄泉へ旅発ったのではと思ったりして。 9月は吟行再開しましょうね。 返信
勝美様 那須で一週間過ごし、今帰宅したところです。 「色色の影」を拝見、素晴らしい句揃いで恐れ入ってます。 その中で、私の一番好きな句は 「動かざる遊具影曳く夏の果」の一句です。 ①格調極めて高い ②夏の果の季語がぴったり。 ③句の奥行きが深い 以上が私の感想です。 千葉の徘徊老人 返信
「色々の影」のご紹介有難うございました。 この所の急な秋冷、残暑の繰り返しに戸惑っておりますが、ご健吟のご様子に安心致しました。今回の句よりいつもの様に勝手な感想を。 ◆転生の夢は束の間明け易し /勝美 白い羽化直後の蝉の写真が効果的で句の印象を深く感じられました。全ては束の間の夢ですね。 ◆声上げて蝉のたましひ呼び戻す /勝美 何を叫んでいるでしょうか、少年像の膝に乗せられた数多の落ち蝉に驚きました。蝉のたましひへの発想が良いですね。 ◆動かざる遊具影曳く夏の果 /勝美 遊具の影が象徴的で遊んだ少年たちの成長の跡ともとれる夏の果です。 返信
転生の夢は束の間明け易し /勝美 羽化したてのセミを見たのはほぼ初めてでしたが、 図鑑と同じ本当に薄緑色! 静かに美しく、周りでジージー鳴いているセミとは別物のようでした。 声上げて蝉のたましひ呼び戻す /勝美 もうすっかり秋の虫の声にとって変わりましたが、 都心でもセミの声を聞くとまだ自然が残っていたと安心します。 誰が置いたか、この少女が本当にセミの魂を呼んでいるように見えますね。 河童忌の火花五彩に噴き上がり /勝美 「火花」未読ですが、読みましたか? 文章を書くにはエネルギーが要りますね。 小学生の夏休みの宿題の読書感想文に付き合ってつくづく思いました。 ほっといても噴き上がる火花のように文章が湧いてくればいいのですが。 七十年前の影追ふ終戦日 /勝美 上のつづき。ウチの9歳の感想文は「ふたりのイーダ」。 原爆で生き残った少女と彼女を待つ椅子のお話。 9歳は今年の8月6日、広島の家のテレビで「平和へのちかい」を見たらしく、 その体験と本がリンクするかな?と思いきや、まだ無理のようで。 動かざる遊具影曳く夏の果 /勝美 「夏の果」。写真もどこか秋を感じさせるところがあります。 影の長さかなぁ。こども達はどこいっちゃったのかな。 それを15文字にピタリと収めて、この句はカッコいいね。 返信
awaさん 花ちゃんも9歳!早いものですね、時の立つのは。われわれも頭脳明晰に健康に生きねばとつくづく思います。蝉の二句は命の儚さを。火花の句に影はありませんが、影さえない闇にこそ映えるのですよね。70年前の戦争は大きな影を曳いてますね。夏の果に濃く曳く影は忍び寄る秋の気配を示しています。(全部あとづけの感想です) 返信
昨日の横浜句会、ありがとうございました。 いつも、添付されている写真を拡大しながら、勝美さんの句を含味させて頂いています。 転生の夢は束の間明け易し /勝美 漸く地上に出て来て、羽化したばかりのセミですね。でも、この先、何日かしか生きられず、直ぐに死んでしまうのですね。本当に束の間の夢ですね。わたし達も70年、80年と生きてきましたが、過ぎて見ますと、これも「アッ」という間の出来事でしたね。正しく、我が人生も「明け易し」ですね。 声上げて蝉のたましひ呼び戻す /勝美 この少女は何を叫んでいるのかしら?膝の上に山盛りの蝉の死骸を乗せていますね。誰が置いたのかしら?本当に「蝉のたましひを呼び戻している少女像」に見えて来ましたね。でも、この少女、一体何を叫んでいるのですかね。 河童忌の火花五彩に噴き上がり /勝美 河童忌は芥川竜之介の忌日で、夏の季語ですね。この写真は何の写真ですかね。色鮮やかな写真ですね。「五彩に噴き上がり」という表現は、この写真を見る限り「言い得て妙」ですね。只、この写真から、芥川賞を取った又吉直樹の「火花」の人気に結びつけるなんて、勝美さんの、その連想の飛躍に感心致しました。 七十年前の影追ふ終戦日 /勝美 この写真は終戦後、アメリカ兵がホールで踊っている写真ですね。戦勝国のアメリカの兵隊と敗戦国の私たちがやっとこさ生活していた、その時代の両国の対比を想い起こさせて呉れますね。そう言えば、この70年、日本も発展したものですね。でも、私たちは、あの頃の苦しかった時代の事をすっかり忘れてしまいましたね。 動かざる遊具影曳く夏の果 /勝美 誰も居ない公園の片隅にある遊具。ついこの間まで、子供たちが大声を上げながら騒いでいたのが嘘のようですね。その影の長さから見ると、これは夕方の様ですね。もう誰も乗る人の居なくなった、うら寂しい公園。如何にも「夏の果」という季語がぴったりの情景ですね。 返信
喜信さん おはようございます。先日の横浜句会ではお世話さまでした。懇談の紹興酒で酌めども尽きぬ俳句への情熱が伺えて、楽しかったです。コメント催促して済みませんでした。律儀に書き込み下さったことどもから世界が広がりました。次回もよろしく。 返信
>転生の夢は束の間明け易し
蝉は地中で何を食べているのでしょうか?思えば自分の知らないことばかりです。そして、知らないこと自体に気づいていないことばかりです。
>声上げて蝉のたましひ呼び戻す
セミの密度のせいなのか、田舎にいるときより、東京にいるときの方が、セミの抜け殻を見つけることが多いです。
>河童忌の火花五彩に噴き上がり
「河童忌」は季語ですが「カッパ」自体は季語じゃないようですね。芥川龍之介が存在したことによって、カッパが俳句の中に登場できたと思うと、ちょっと不思議な感じがします。
>七十年前の影追ふ終戦日
私は広島生まれなので、8月6日は登校日でした。その日は、学校に行くのが嫌ではなく、むしろ、夏休みで顔を見なくなったクラスの子に会えるのが楽しみでした。
>動かざる遊具影曳く夏の果
自分がこどもの頃に遊んだ公園の遊具は、すでに新しくて安全なものに変わっています。その頃の影を見ることはもうないのでした。
のうそうさん こんにちは。ひねもす俳句を通じて、のうそうさんの内面世界をご披露下さってありがとうございます。羽化の蝉も亡骸の蝉も詩心を呼び起こします。竜之介は河童の絵を描いてますよね。
又吉の受賞作火花は噴き上がる人気ですね。終戦の日にはまさか、のうそうさんは生まれてはいなかったでしょう。70年前の影は亡霊のようなものです。
[動かざる遊具影曳く夏の果]
夏休みも終わりに近づき、遊ぶ子らも日ごとに少なくなりつつある公園の夕暮れ時、子らの帰った後の、遊具の影が静かに目に沁みる。どこか寂しい夏の果て。その光景が、心に響きます!
知意子さん おはようござます。コメント書き込みが仲なか出来なかったとのことですが、理由は判りません。でも書き込みが出来てなによりです。夏休みも終り近く季節の移ろいは肌に感じますよね。
うらわの俳人様 モバラ座の俳人渓春です。今日は台風の大雨で電車が止まっています。昨日出かけましたが交通トラブルの難を避けられました。最近はたまにしか出かけないのですが高い確率でトラブルにあいます。つい最近も千葉駅構内で女高生がダイビングして大変な騒動になっているところに遭遇しました。なんと言って良いのか、言葉を失います。
さて、以下いただきです。
転生の夢は束の間明け易し /勝美
輪廻転生は生きとし生けるもの全てにあるのでしょうね。数日まえ、庭に出ていた時、ジイジイと桜の木で鳴いていた蝉が突然私の肩に急降下してぶつかりました。そして地面に落ちて仰向けになってバタバタと…。蝉は私の肩をたたいて何かを訴えたかのでしょうか、あぁこの蝉もこれで一生を終えるのか、と思いました。7年間地中で生き、地上で7日間生きる、蝉のピンコロにあやかりたいものだなどと、余計な事を思ったりして。
声上げて蝉のたましひ呼び戻す /勝美
一句の続編のような気がしました。女の子は一体何を叫んでいるのでしょうか、蝉の死骸を沢山膝に乗せていますね、もっと小さな子供もいます。不思議な像です。蝉の霊に向かって「蝉君アリガトウー、天国に行ってねー」かな、いや呼び戻すというのですから「またこの世に戻ってきてねー、待ってるねー」かも。
河童忌の火花五彩に噴き上がり /勝美
噴き上がりが効いています。花火の五彩色は夏の風物詩でひと時見る人の命を奮い立てます。最近活発になっている火山の噴火は天災ですが天津爆発は人災です。大都会にクレーターが出現なんて、全く人災も極まれり、です。
動かざる遊具影曳く夏の果 /勝美
子供の声がない公園、さびしい光景です。猛暑とはいえ夏は夏の良さもありました。それも終わりですね、有難うございました。
溪春さん おはようございます。同人会事務局長・運営委員の武さんの急逝に驚きました。次を担うのは貴方です。期待します。さて、何時もコメント楽しませて頂いています。天災人災頻発のこのごろ、うっかり出来ないですね。朝晩の急速な気温変化も束の間でしょうか。時々の俳句を楽しく詠めればそれでよしとしましょう。
こんにちは
色色の影を読ませていただきました。
このところすっかり秋の涼やかな風になって
きました。
このまま本当に秋になって行くのでしょうか
想像できません。
いつもの年ならもう一度残暑がありそうです。
八月も終章ですがもう秋を詠んでいいですね。
今回のお気に入りの二句です。
声上げて蝉のたましひ呼び戻す /勝美
動かざる遊具影曳く夏の果 /勝美
由人さん おはようございます。今日は早くも9月号の発送事務で印刷所へ出かけます。まだまだ暑さはぶりかえすでしょうか。コメントありがとうございます。呼べど帰らぬ蝉の魂です。蝉の魂はきっと蝉の穴から黄泉へ旅発ったのではと思ったりして。
9月は吟行再開しましょうね。
勝美様
那須で一週間過ごし、今帰宅したところです。
「色色の影」を拝見、素晴らしい句揃いで恐れ入ってます。
その中で、私の一番好きな句は
「動かざる遊具影曳く夏の果」の一句です。
①格調極めて高い
②夏の果の季語がぴったり。
③句の奥行きが深い
以上が私の感想です。
千葉の徘徊老人
高達さん こんばんは。今日は獺祭9月号の発送事務で印刷所へ行っていました。コメントありがとう。分析的なコメントは作者にとってありがたいことです。気に入って頂けるように奮闘します。
「色々の影」のご紹介有難うございました。
この所の急な秋冷、残暑の繰り返しに戸惑っておりますが、ご健吟のご様子に安心致しました。今回の句よりいつもの様に勝手な感想を。
◆転生の夢は束の間明け易し /勝美
白い羽化直後の蝉の写真が効果的で句の印象を深く感じられました。全ては束の間の夢ですね。
◆声上げて蝉のたましひ呼び戻す /勝美
何を叫んでいるでしょうか、少年像の膝に乗せられた数多の落ち蝉に驚きました。蝉のたましひへの発想が良いですね。
◆動かざる遊具影曳く夏の果 /勝美
遊具の影が象徴的で遊んだ少年たちの成長の跡ともとれる夏の果です。
要介さん おはようございます。すっかり秋の気配が感じられるこの頃ですが、暑さのぶりかえしはあるのでしょうか。コメントありがとうございます。薄れ行く夏へのオマージュです。
ご無沙汰いたしております。
昨日は仕事でランチ外出しましたら、
なんと初秋刀魚に出会い
思わず「秋」やなあ~と実感しました。
この寒さに寂しくも有りです。
動かざる遊具~頂きます。
ひつじさん 初秋刀魚とは美味しそうですね。味覚の秋ですねえ。
コメントありがとうございます。夏の果が実感出来る今日この頃です。
転生の夢は束の間明け易し /勝美
羽化したてのセミを見たのはほぼ初めてでしたが、
図鑑と同じ本当に薄緑色!
静かに美しく、周りでジージー鳴いているセミとは別物のようでした。
声上げて蝉のたましひ呼び戻す /勝美
もうすっかり秋の虫の声にとって変わりましたが、
都心でもセミの声を聞くとまだ自然が残っていたと安心します。
誰が置いたか、この少女が本当にセミの魂を呼んでいるように見えますね。
河童忌の火花五彩に噴き上がり /勝美
「火花」未読ですが、読みましたか?
文章を書くにはエネルギーが要りますね。
小学生の夏休みの宿題の読書感想文に付き合ってつくづく思いました。
ほっといても噴き上がる火花のように文章が湧いてくればいいのですが。
七十年前の影追ふ終戦日 /勝美
上のつづき。ウチの9歳の感想文は「ふたりのイーダ」。
原爆で生き残った少女と彼女を待つ椅子のお話。
9歳は今年の8月6日、広島の家のテレビで「平和へのちかい」を見たらしく、
その体験と本がリンクするかな?と思いきや、まだ無理のようで。
動かざる遊具影曳く夏の果 /勝美
「夏の果」。写真もどこか秋を感じさせるところがあります。
影の長さかなぁ。こども達はどこいっちゃったのかな。
それを15文字にピタリと収めて、この句はカッコいいね。
awaさん 花ちゃんも9歳!早いものですね、時の立つのは。われわれも頭脳明晰に健康に生きねばとつくづく思います。蝉の二句は命の儚さを。火花の句に影はありませんが、影さえない闇にこそ映えるのですよね。70年前の戦争は大きな影を曳いてますね。夏の果に濃く曳く影は忍び寄る秋の気配を示しています。(全部あとづけの感想です)
昨日の横浜句会、ありがとうございました。
いつも、添付されている写真を拡大しながら、勝美さんの句を含味させて頂いています。
転生の夢は束の間明け易し /勝美
漸く地上に出て来て、羽化したばかりのセミですね。でも、この先、何日かしか生きられず、直ぐに死んでしまうのですね。本当に束の間の夢ですね。わたし達も70年、80年と生きてきましたが、過ぎて見ますと、これも「アッ」という間の出来事でしたね。正しく、我が人生も「明け易し」ですね。
声上げて蝉のたましひ呼び戻す /勝美
この少女は何を叫んでいるのかしら?膝の上に山盛りの蝉の死骸を乗せていますね。誰が置いたのかしら?本当に「蝉のたましひを呼び戻している少女像」に見えて来ましたね。でも、この少女、一体何を叫んでいるのですかね。
河童忌の火花五彩に噴き上がり /勝美
河童忌は芥川竜之介の忌日で、夏の季語ですね。この写真は何の写真ですかね。色鮮やかな写真ですね。「五彩に噴き上がり」という表現は、この写真を見る限り「言い得て妙」ですね。只、この写真から、芥川賞を取った又吉直樹の「火花」の人気に結びつけるなんて、勝美さんの、その連想の飛躍に感心致しました。
七十年前の影追ふ終戦日 /勝美
この写真は終戦後、アメリカ兵がホールで踊っている写真ですね。戦勝国のアメリカの兵隊と敗戦国の私たちがやっとこさ生活していた、その時代の両国の対比を想い起こさせて呉れますね。そう言えば、この70年、日本も発展したものですね。でも、私たちは、あの頃の苦しかった時代の事をすっかり忘れてしまいましたね。
動かざる遊具影曳く夏の果 /勝美
誰も居ない公園の片隅にある遊具。ついこの間まで、子供たちが大声を上げながら騒いでいたのが嘘のようですね。その影の長さから見ると、これは夕方の様ですね。もう誰も乗る人の居なくなった、うら寂しい公園。如何にも「夏の果」という季語がぴったりの情景ですね。
喜信さん おはようございます。先日の横浜句会ではお世話さまでした。懇談の紹興酒で酌めども尽きぬ俳句への情熱が伺えて、楽しかったです。コメント催促して済みませんでした。律儀に書き込み下さったことどもから世界が広がりました。次回もよろしく。