ひねもす俳句:春うらら

庭先
混沌は宇宙にも似て桜草 /勝美

春の狸

四月馬鹿化けもせでゐる陶狸 /勝美

春の柳

柳見て和まぬものはなかるべし /勝美

春の土手

春の土手丸太の如く臥すもよし /勝美

春の銅像

少女らのワルツは永久(とは)にうららけし /勝美

2 thoughts on “ひねもす俳句:春うらら

  1. >混沌は〜
    一見、ごちゃごちゃに見えて、でも、結構手入れされてる小さな庭。
    ごちゃごちゃだけど、綺麗な星空に通じるかも知れませんね。
    >四月馬鹿〜
    狸のアホな笑顔が効いてますw。
    化けなくても、人間と余裕でつきあってるような感じですね。
    >柳見て〜
    春風を見るには揺れる葉を見ます。
    ゆっくりとしなやかに揺れる柳は、春風を可視化するのに
    一番ぴったりかも。
    >春の土手〜
    この写真から、こんな句が出てくるとは!
    句を読んで、はじめて丸太が気持ち良さそうに
    寝てるように見えてきました。
    >少女らの〜
    永遠の少女が踊る永久のワルツ。
    春の陽の中では、気持ち良さそうに、
    冬の冷たい風の中では、悲しそうに見えるのかも。

  2. この庭のサクラソウは本当に見事。でも狭くてごちゃごちゃ、まさにカオス。
    綺麗なものも薄汚れたものも自転車も箒も一緒くただけど、
    なんかエネルギーを感じます。その源がたぶんサクラソウ。
    だけど、この写真から宇宙という言葉が出てくるとは思わなかった!
    すっとぼけたような狸の顔は、人間に化けることすら
    サボってるようで。「四月馬鹿」と合わせたのがベストマッチですね。
    この季節の柳は、じつに美しくて、風にそよぐ姿を
    ずっと眺めていたい気がします。
    「和まぬものはなかるべし」と強く断定調なのが、
    柳の印象とはうらはらでおもしろい。
    春の空気の気持ちよさは、体全体で感じたいです。
    なにもしないで土手に横になってみるのも、春を楽しむにはいいですね。
    「丸太の如く」が利いてます。
    この銅像、銅像だから一年中ここにこうして立ってるわけなんですが、
    春のこの日こそ、ふさわしく目に映りました。
    その印象を形にできるとしたら、まさにこの句なんだと思った。

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