ひねもす俳句:決断の秋

八角と紛ふ木の実や毒ありと
八角と紛ふ木の実や毒ありと /勝美
熟るるまで待つ鳥ゐるや山法師 /勝美
熟るるまで待つ鳥ゐるや山法師
百舌鳥高音迦陵頻伽にはなれず
百舌鳥高音迦陵頻伽にはなれず /勝美
断腸花検査入院腹くくる /勝美
断腸花検査入院腹くくる
無残やな枝道連れにして落葉
無残やな枝道連れにして落葉 /勝美

「ひねもす俳句:決断の秋」への3件のフィードバック

  1. 写真について。
    1枚目の八角のような実はシキミの実。猛毒です。種子は特に毒性がつよく下手すると死にます。
    八角はトウシキミ。もちろん毒性はありません。香りは八角とシキミは違いますね。シキミはさわやかな香り。

    ヤマボウシの実は、鳥じゃないけど私も待ってます。明日あたりこっそりつまみ食いしようかな。

    3枚目、正倉院The show展でみた飾り絵。「なに?この脱力系イラスト」と思ってたのが、迦陵頻伽という名前のついた生き物(想像上の)だったとは!

    4枚目の秋海棠。木立ベコニアとも。断腸花というのは知りませんでした。
    雨に濡れてひっそり咲く花のピンクがことさら可愛いかった。

    最後の写真は風で落ちたのか、枝ごとの楠の葉。
    楠の葉は完全に干からびるとメタリックなグレージュのような色になるけれど、それまではこんな綺麗な赤色だったり黄色だったりします。

  2.  寒い日続く中でほっこりと暖かな今日。歩き慣れた近辺のそぞろ歩きで汗ばむ小半時を得たのであった。今回のタイトルは俳句の作者が直面した出来事に由来する。それは後ほどにして1句目の木の実は中華香辛料で見かける八角かと思ったらあにはからんや有毒のシキミの実。あなおそろしだ。まんまの句。次は山法師の実。小生は食べたことはない。ジャムなどに加工するらしい。初めて食べたのはどこの誰なのか。考えてみれば食物の一切は最初に食用にした誰かがいるのだろうな。次は正倉院の飾り絵だそうだが、詳細は全く存じ上げない。美しい声で鳴くらしい。百舌鳥の高音はとても美しいとは言い難い。街では姿を見かけたことはない。次の断腸花は秋海棠の季語としてのもので歳時記にある。相思相愛の男女が引き裂かれ女性が男性を断腸の思いで待つ中国の伝説に由来して断腸花という、と。秋海棠の雨に打たれて項垂れる様は一抹の思い入れがある。この句の中七下五は作者が心臓検査検診で3D画像解析結果心臓カテーテル一泊入院を告げられ逡巡の上腹を括るか、となった次第。最後は楠の落葉。枝付きだから風が無理やり引き裂いたのでは。細やかな赤から黄色への色彩の変化が落葉らしくて良い。

  3.  八角と紛ふ木の実や毒ありと /勝美
    八角はインフルには効かないけど、シキミはタミフルの成分になっていましたからね。
    毒は薬にもなる見本?
    句はそのまんまという感じが否めない!

     熟るるまで待つ鳥ゐるや山法師 /勝美
    これは鳥を持ってきたところがいいですね。
    うちのベランダにはキンカンの鉢がありますが、この間ヒヨが偵察に来てました。
    よそのお家の柿の木の実を、誰も食べないなぁとみてると、
    冬になるとカラスがつついてたりします。貯食なんですね。

     百舌鳥高音迦陵頻伽にはなれず /勝美
    漢字が並ぶと呪文のようにも見えてくる!?
    モズはモノマネ得意なので、綺麗な声でも鳴けますよ。
    けど、鳴き終わりにグフグフ言っちゃうのでイマイチ。

     断腸花検査入院腹くくる /勝美
    これねー!!!空振りの句になってよかったですね。
    …よかった、とは一概に言えない気もするけど、まあいずれにしても無理は禁物かな。

     無残やな枝道連れにして落葉 /勝美
    楠ですね。若木だと気の毒だけど、大木だからこれくらいは大丈夫…と思う。
    句は、あんまり他では見かけない句になってますね。
    こんなの誰も詠まないでしょう。写真があったから出来た句かな?

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