ひねもす俳句:渋茶で一服

灯の入らぬ常夜灯めく巣箱かな
灯の入らぬ常夜灯めく巣箱かな /勝美
春うらら天使の羽の宙に舞ふ /勝美
春うらら天使の羽の宙に舞ふ
葬送の列ゆく木立凍返る
葬送の列ゆく木立凍返る /勝美
造影の血管黒し春寒し /勝美

造影の血管黒し春寒し

落雁は渋茶の友や雁帰る
落雁は渋茶の友や雁帰る /勝美

7 thoughts on “ひねもす俳句:渋茶で一服

  1. 重症化率は低いとかですが感染爆発のオミクロン株。この一年もコロナに悩まされる一年か。芸能人が軒並みに感染している。俳句の世界では句会などの活動のほとんどは通信句会で急場をしのいでいる。リモート句会はまだない。
    では、今回のひねもす。1句目の巣箱は大川端の柳の根方に立っている常夜灯のように見える。果たして鳥は寄り付くだろうか。2句目はまるで鳥の羽のよう。天高し堕天使の羽根半開き /吉原文音。羽根降るとの見立ての俳句は他にもあるようです。次の木立の写真から凍て返った静謐感を覚えます。まっすぐな道にまっすぐな木立は連想の幅を膨らませます。連想は斂葬へつながりました。というわけで葬列の句が生まれたわけです。次の鵯が止まっている木の枝は血管造影の血管に見えてきました。ひよのあたりはさしずめ血栓の瘤というわけです。快癒を願う次第。最期の句は千鳥の形の落雁かと。千鳥が雁に転身しましたが、堅いこと言わず渋茶で一服しましょう。

    1. リモート句会、いいですね!やってみればいいよ。zoomならお手軽では?ただし、3人以上だと40分で一旦終わるよ。

  2. >灯の入らぬ常夜灯めく巣箱かな
    思えば、電球が灯るようになってから、石灯籠の火が消えました。
    いつの間にか電球が常夜灯になって、常夜灯だった石の灯籠はそれに照らされるものになったと考えると、なんだかちょっとセンチメンタルです。

    >春うらら天使の羽の宙に舞ふ
    早く天使に春を運んできてもらいたいものです。

    >造影の血管黒し春寒し
    言われてハッと気付きました。確かにそう見えます。
    寒空に何かを運んでいるようです。

  3. のうそうさん コメントありがとうございます。側面に「常夜灯」と彫られた石灯籠。昔は見かけましたが今もどこかにひっそり佇んでいるのでしょうかねえ。写真のすばこは柵があり巣箱の概念から外れているかも。羽のような雲の一切れは漂っているように見えますね。羽ばたいた時抜け落ちたのでしょうか。シルエットの木の枝に鵯が止まっている様は血管造影写真見たい。動脈硬化はないようで一安心。

  4.  灯の入らぬ常夜灯めく巣箱かな /勝美
    う〜ん、これはどういう意味かなぁ…。
    私には「大川端の柳」のイメージがぼんやりとしか浮かばないので。
    ムーミン谷にありそうなイメージがするんだよね、この巣箱。

     春うらら天使の羽の宙に舞ふ /勝美
    はい、これはもうそんな風に感じてパシャった写真。
    でも言葉にきちんと収められるとより明確になりますね。
    ま、写真と離れてないといえば言えるけど…。

     葬送の列ゆく木立凍返る /勝美
    夏にも撮った場所だけど、季節が違うとまったく見え方も違う。
    葬列に見立てたのが決まりましたね。

     造影の血管黒し春寒し /勝美
    これはヒヨドリが大好きな栴檀の木。
    まだ少し実が残っているので何羽かいます。
    血管か〜!そういう風に見たことはなかったなぁ。

     落雁は渋茶の友や雁帰る /勝美
    落雁だから「雁帰る」か。
    ほんとは落雁じゃなくて和三盆だし、千鳥だけどね!
    雁ってどこにいるんだろう?鴨とはちがうよね。
    鴨は渡り鳥?マガモは冬鳥らしい。
    チドリは旅鳥、春と秋の一時期だけ日本を通過するらしいよ。

  5. あわさんん コメントありがとう。巣箱が古風な常夜灯だという感じ。あまり面白い句ではないねえ。2句目は見たまんま。発展がないねえ。3句目は寒々しさが感じられたので凍て返るという季語の選択となった。遠近感も遠ざかる感じがいいなあと思った。4句目は造影の血管に見えた。鵯は血管にできた血腫か。最後の句は千鳥の和三盆だったねえ。落雁ではなかった。鴨と雁は形も生態も違う。いずれにせよ大いに適当な句だねえ。今回はいいところなしといってもいいか。反省して次回を期したい。

うらわの俳人 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です