ひねもす俳句:パンドラの箱に潜むもの

春愁やパンドラの箱何残る
春愁やパンドラの箱何残る /勝美
彼我分つ垣の内外鳥曇り /勝美
彼我分つ垣の内外鳥曇り
陽炎ふといへど花道進むべし
陽炎ふといへど花道進むべし /勝美
魚信なし柳は風を受け流す /勝美
魚信なし柳は風邪を受け流す
屍体まだ埋もれしままの桜かな
屍体まだ埋もれしままの桜かな /勝美

8 thoughts on “ひねもす俳句:パンドラの箱に潜むもの

  1. 「パンドラの箱に潜むもの」という意味深なタイトルをつけてみました。パンドラの箱をくだくだ解説することはないでしょう。今のパンデミックの事情と絡めて考えるのもまたよろしいかと。写真の三井倉庫にチェノブイリの石棺を連想しました。あれは今どのように推移しているのでしょうか。臭いものに蓋の典型例かも。フェンスの向こうにハクセキレイがいます。このフェンスは沖縄基地のフェンスを思わせます。小鳥は国民そのものかとも思います。逃げようともせずいるのは何故?石畳に桜の花びらが散っているのは風情があります。このような花道を踏んでみたい。そして陽炎の彼方へ消えてゆく。情緒ありますねえ。魚信があろうがなかろうが柳は風と戯れるのみです。最後の句は言うまでもなく梶井基次郎です。すみません。

  2. この雪でも中高生はまだ原宿に行ったりしますかね?うちの中1はおとなしく家に引き籠ってますが。
    知らぬは人間ばかりで、なにか得体の知れない恐ろしい事態が進行してるんじゃないかと思われる今日この頃です。
    「パンドラの箱に潜むもの」のタイトルはうまいこと付けましたね。

    ハクセキレイは鳥のくせに歩いてばかりで、しかも車道や駐車場を歩いていてハラハラします。
    小鳥を国民とすると、妙に合点がいきます。

    石畳は数日前の朝。体がなまるから早朝散歩することにして、出かけたら花見もできました。
    咲いている桜も綺麗だけど、散り際がいいのが桜。散った花びらも綺麗。
    花道、何事もイメージングが大事だから、思っとけばそうなると思う。

    柳も朝散歩でキャッチ。平日朝っぱらから釣り糸垂らすとは、太公望の見本ですかね。
    柳の若葉が風になびいて爽やかでした。

    桜をあえて朝日に透かして撮ってみました。
    陽を真正面にうけていないので色が濃い。生命力が強調されるような気がしました。
    「♪て〜のひらを太陽に〜」みたいな感じ?

    句の感想になってないね。

  3. あわさん コメントありがと。今朝も寒いけれどもう雪は消えています。どこに潜んでいるのか見当もつきませんがウイルス感染の危険を避けるために外出自粛はやむなしかもですが、一体いつまでこのような状況がつづくのやら先が見通せません。せめて空想連想を巡らせてひねもす俳句をひねり出してひと時を紛らわせたいと思っています。

  4. 大須賀衡子さん コメントありがとうございます。魚信の句を選んで頂き恐縮です。メールでコメントを寄せていただいた高山さんには「柳に風はつきすぎ」とあっさり言われてしまいました。太公望の心境を柳が共有しているように思えたものでこのような作りになったのですが、勉強させられます。

  5. 今ではコロナウイルス菌で間違いないようですね。
    東京都知事の小池百合子氏は恐ろしい発言をしま
    した。コロナウイルス菌は日本列島は勿論地球上
    の全ての国を襲い極端に言えば近い将来(50年
    位かな)人類滅亡なんて考えられないでしょうか。
    日常生活をお互いに気を付けましょう。

  6. 邦夫さん 大変な事態になりましたねえ。我が獺祭誌の校正や再校正の仕事もいつものようにできませんので原稿は印刷所へ郵送し、元原稿とゲラは勝美の自宅へ郵送してもらって、一人で校正と再校正をすることとしました。発送も来月回しになりますので前代未聞の出来事です。やれやれです。

  7. >春愁やパンドラの箱何残る
    この倉庫、私が学生だった30年ぐらい前からまったく変わっていません。
    きっと、もっとずっと前からこのままだったんだと思います。
    本当に中に開けてはいけないものが入っているかも知れません。

    >彼我分つ垣の内外鳥曇り
    英国では、コロナで街から人がいなくなって、羊が歩き回ってるそうです。
    人間がいなくなっても地球は回っていくかんですね。

    >陽炎ふといへど花道進むべし
    知らない間に春が終わってしまいました。

    >魚信なし柳は風を受け流す
    釣り人にとっては、いつもの一日が続いているだけなのかも。

    >屍体まだ埋もれしままの桜かな
    ブラジルでは、このご時世で人を埋める穴が山程掘られているそうです。
    せめて桜を植えて、後世の人々にも伝えたいものです。

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