ひねもす俳句:萌え出づる生命

踏まれてもはびこるいのち日の永し
踏まれてもはびこるいのち日の永し /勝美
目借時禅知内供の高いびき /勝美
目借時禅知内供の高いびき
刑務所の塀にものの芽顔出せり 
刑務所の塀にものの芽顔出せり /勝美
人住まふ花一つなき街なれど /勝美
人住まふ花一つなき街なれど
 春塵の洗はれ雨後の空此処に
春塵の洗はれ雨後の空此処に /勝美

9 thoughts on “ひねもす俳句:萌え出づる生命

  1. おはようございます。今回は三月第2弾。土の気配のないマンホールの周りに植物が生えています。 尤も人工栽培は土を使いませんけれどね。どっこい生きている健気さをよしとします。2句目のいちごは芥川の芋粥の禅知内供の鼻へと発想が飛んでしまいました。これほど赤くはなかったでしょうけれど。3句目の塀の殺風景左から刑務所を想像しました。逃げ出そうとして顔を出したという一連の発想です。4句目も殺風景な街の景観。花はありそうも見えません。
    5句目は雲に挟まれた空の青さは青か蒼は永遠の広がりを思わせます。勝手な想像をたくましくいたしました。

  2. 毎度のことながら目と心を和ませていただきました。
    踏まれてもはびこるいのち日の永し /勝美
    ★ 季語の「日永」に大いに納得しました。こういうところで使われてこの季語はさぞかしの思いでしょ
    う。

    目借時禅知内供の高いびき
    ★ 浅学にして「禅知内具の鼻」を知りませんので何とも言えませんが、天狗の鼻を想像して、そう言 われてみると天狗の鼻先は苺に似ているような。

    刑務所の塀にものの芽顔出せり /勝美
    ★ 脱獄とは愉快なご着想・・・平身低頭納得です。

    人住まふ花一つなき街なれど
     ★ 市街の中心地には花をつける街路樹はあっても、庭付きの家は稀ですネ。
    せいぜい、ランダに活け花・・・いうことなんでしょう。

    春塵の洗はれ雨後の空此処に /勝美
     ★ 雨後の空にはいつも心機一転を味わっていますが、きっと、春塵に似た汚れが溜まっているんで
    しょう。
      それはそれとして、芽吹きの時期だけに心機は新規に繋がるようです。

  3. >踏まれてもはびこるいのち日の永し
    こういう草たちが一番に春を感じているかも知れないですね。

    >目借時禅知内供の高いびき
    禅知内供ってなんだっけ?と検索して初めてわかりました。
    そうなると、なるほど、まさに彼のアレにしか見えなくなりますw

    >刑務所の塀にものの芽顔出せり
    彼らには、その塀がどんな塀なのか、外側なのか内側なのかも関係なさそうです。

    >人住まふ花一つなき街なれど
    ベネチアに行ったとき、まさにそれを感じました。
    花も土もないのに人がたくさん住んでいて、
    でも、ここの人たちはそれが普通なわけで、そうなると普通ってなんなんだろうと。

    >春塵の洗はれ雨後の空此処に
    雨は嫌いですが、この季節のあたたかくて曇って降り出す雨は、春を予感して少しワクワクします。

  4. 俊孝さん おはようございます。コメントありがとうございます。いつも早ばやとお越しくださってありがとうございます。春はいのちの芽生えの季節ですね。明るい日差しを素直に喜びたいものです。

  5. のうそうさん こんにちは。コメントありがとうございます。花ちゃんの水疱瘡よくなったようで何よりです。これから入学、通学と大変でしょうが精一杯助けてあげてくださいね。これからは外出も楽しい季節です。そのうちご一緒しませんか。

  6.  踏まれてもはびこるいのち日の永し /勝美
    不思議だよね、なんでわざわざこういう所から芽吹くかな?と。
    きっと種が凹みに落ちて、凹みには少量の土成分も溜まってて、
    少量の雨水も保てるという、案外発芽には適した環境なのかも。
    だけど、そこに生まれたからそこで育つしかないね、植物は。
    人間なら動けるけど。

     目借時禅知内供の高いびき /勝美
    「鼻」、教科書で読んだ時へんな話だと思った。
    茹でたり踏んだり、そこまで気にする鼻ってなんだよ?と。
    自意識過剰?ないものねだり? それよりグロさが印象的。
    苺もよく見ると決して可愛くはないですね。
    近頃はとくに、馬鹿でかいグローブみたいな形のが目立って、
    さらに可愛くない。
     
     刑務所の塀にものの芽顔出せり /勝美
    ただの塀を刑務所の塀としましたか。
    マンホールもそうだけど、まぁ、塀際もどこも一緒の環境でしょうから、
    刑務所の塀も同じですね。
    映画「ショーシャンクの空に」の脱獄シーンを思い出しました。
    見てみる?↓脱獄シーンだけ
    https://www.nicovideo.jp/watch/sm24969013

     人住まふ花一つなき街なれど /勝美
    いやいや、よく見ると咲いてるんだけどね。ハクモクレンもサンシュユも。
    もっと小さいナズナも踊子草もきっと足元には咲いてる。
    花は見えなくても、沈丁花の香りもしてるにちがいない。
    春の気配はちゃんとあるよ、殺風景な街に見えても。
    句は3.11的な方面を詠んだとすると、合ってますね。

     春塵の洗はれ雨後の空此処に /勝美
    これね、この時の空、実物を見て欲しかったくらい。
    ただの西堀の地元の風景なんだけど、くっきりはっきり、パキーっとしたコントラストで。
    なにげにここの景色はひねもす登場回数多いですね。

  7. あわさん 丁寧なコメントありがとうございます。いろいろ読み手の考えも聞けて相乗的に面白さが加わって興味深いです。これからもどうぞよしなにね。

  8. 勝美先生、いつもご指導と素敵な句をありがとうございます!

    ★踏まれてもはびこるいのち日の永し /勝美
    春とはいえ、まだまだ、冷え込む日もあり、気持ちもまだ、今一つ活気に欠けている私ですが、これからは、人も植物も、みな生き生きとしてくる時期に入ります!その時期に、さらに、元気を与えてくれる句です!
    ★刑務所の塀にものの芽顔出せり /勝美
    どんな所であろうと、希望があるものだと、言っているようです!
    ★春塵の洗はれ雨後の空此処に /勝美
    雨上がりのすっきりした気持ちの良い空気を運んでくれる句と写真。まだ雲が残っているけど、明るい空がひろがりつつある、このような空は、よく見かけるけど、それを、ズバリ詠まれていて、感動しています!

    4月横浜句会も、どうぞ宜しくお願いします!

  9. 木藤さん おはようございます。コメントありがとうございます。春になると物みな生命に溢れて元気がもらえるように感じられます。些細なことでも新鮮に捉えることができるのは幸せそのものだと思います。これからもよしなに。横浜句会でも俳句を楽しみたいと思っています。よろしくです。

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