ひねもす俳句 : 春の訪れ


町を見下ろすビッキー
つながれて犬春愁を逃れ得ず /勝美

マンションの風グルマ
かざぐるま一つ止まればみな止まる /勝美

屋根の上の猫
出動の時間の待てず恋の猫 /勝美

3 thoughts on “ひねもす俳句 : 春の訪れ

  1. >つながれて〜
    “つながれて”と“逃れ得ず”が絶妙に効いてますね。春でうれしいんだけど、どんどん人生が進んで行くなんかちょっと切ない感じ。上手い!
    >かざぐるま〜
    当然のようでいて、言われて初めて「なるほど」と思ってしまいました。
    >出動の〜
    猫の恋ではなく「恋の猫」というところが先人のオシャレなところですね。

  2.  今まさに、その犬の気持ちかも。
     風景は昨日も今日も明日も変わらないけれど、そこに暮らす人の生活は変わっていく。去る者もいる。でも、自分はひもにつながれて、その場からどこに行くこともできない。
     でも、自分も、ひもにつながれた人たちの気持ちを考えずに、去っていったこともあったんです。
     人生は、それの繰り返しなのかな。

  3. 菅原さんは春愁なんだ。
    私は暖かくなるわ花は咲くわで、
    春はウキウキするのみだけど、お気楽ノーテンキに
    してると気付かないもの、たしかにあります。
    風グルマは、そう言われれば、
    なにか群れの生き物みたいですね。
    恋の猫。
    「出動の時間」を「出勤の時間」と読み違えていて、
    朝、仕事に出る前からあおあお鳴いてるよということかと思った。
    この季節の猫は人間にちょっと冷たいです。

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