ひねもす俳句:移ろい迅し

ニラの花
潜みゐて花の如くに虫鳴けり /勝美

石神井川

秋哀れ石に刻みし無縁仏 /勝美

石神井川

秋出水収まり渓谷貌戻す /勝美

干物

干しうをを殊に好まれ生身魂 /勝美

雨に濡れるカボチャ

産み落とす卵そのまま穴惑ひ  /勝美

16 thoughts on “ひねもす俳句:移ろい迅し

  1. >潜みゐて花の如くに虫鳴けり
    虫の声が、地面の低いところから聞こえてくる様子を感じられますね。
    >秋哀れ石に刻みし無縁仏
    これは、たしかに道端に佇む地蔵のように見えますね。
    言われて初めて気づきました。これで桜でも咲いていれば、花見をしてるようですね。
    >秋出水収まり渓谷貌戻す
    最近では、治水も良くなってあまり水があふれるという風景に出くわさないですね。
    >干しうをを殊に好まれ生身魂
    あの世では、殺生できなさそうなので、魚を食べられるのも、
    この世に戻ってきた時のお楽しみのようですね。
    >産み落とす卵そのまま穴惑ひ
    かぼちゃや冬瓜は、見た目がずっと変わらないので、まさに言い得てますね。

  2. のうそうさん こんにちは。コメントありがとうございます。石神井川の川沿いですか、これは何なのか教えて下さい。

  3.  潜みゐて花の如くに虫鳴けり /勝美
    これはいいですね。
    普通の情景なのだけど、「花の如くに虫鳴けり」と
    決められるのは、普通じゃない。
     秋哀れ石に刻みし無縁仏 /勝美
    水の染みた影が並んだお地蔵さんみたいです。
    誰にも見られずこんな所に姿を現しているのかも知れませんね。
    「秋哀れ」がピタっときます。
     秋出水収まり渓谷貌戻す /勝美
    まだこれから台風16号が来そうで、油断できませんね。
    今年中国では大洪水で大被害とか。
     干しうをを殊に好まれ生身魂 /勝美
    生身魂という季語を初めて知りました!
    長生きの秘訣は干物ですかね。
    案外生肉かもしれませんよ。
     産み落とす卵そのまま穴惑ひ  /勝美
    穴惑ひも面白い季語。
    どこに遊びに行っちゃったんですかね蛇は。
    このサイズの卵だと、おそらくアナコンダですね。
    秋出水、生身魂、穴惑ひ…、面白い。
    これらの言葉がどうして季語になったのか、成り立ちを知りたくなります。

  4.  残暑厳しい夏も過ぎ、朝夕はめっきり涼しい今日この頃となりましたが、勝美さんにおかれましては、益々ご快調のご様子、何よりです。
     小生なりに御句の感想を申し上げさせて頂きます。
    潜みゐて花の如くに虫鳴けり /勝美
     この写真を眺めながら、この草むらから聞こえて来る虫の声を想像してみますと「あたかも、この草花が鳴いてゐるかの様に聞こえて来る」と受け取られた勝美さんの思いを、そのまま素直に表現されましたね。流石ですね。お見事です。
    秋哀れ石に刻みし無縁仏 /勝美
     本当に仏像が並んでいるようですね。この排水口の水の「流れ跡」から、無縁仏の行列を連想した勝美さんの感性の鋭さには脱帽ですね。そして、ここに「秋哀れ」という季語を持って来た事で、一気に品格ある俳句に仕上がりましたね。
    秋出水収まり渓谷貌戻す /勝美
     今年は台風による被害が各地で色々とありましたね。この写真の堀川も、台風の時にはきっと水嵩も増え、恐ろしい流れになっていた事でしょうが、今はそれも収まって、普段の状態に戻っています。
     この状態と季語を結びつけた「秋出水収まり」と「渓谷貌戻す」の二章で一句、見事な模範句を仕上げましたね。
    干しうをを殊に好まれ生身魂 /勝美
     勝美さんのご年齢から想像しますと、恐らくは、先輩の方だと思いますが、店頭の干し魚の写真を見て、干し魚が好きだったその先輩の方を思い出し、そこにお盆の時期の季語「生身魂」を持って来て上手に一句、仕上げましたね。
     勝美さんの、その連想力の凄さに改めて感心しました。勉強になりました。
    産み落とす卵そのまま穴惑ひ  /勝美
     この写真は「かぼちゃ」ですか?写真の形だけを見ますと、細長くて「卵の形そのもの」ですね。丁度今の時期、まだ穴に入らない蛇がいる季節ですので、この「写真のかぼちゃ」から連想した「蛇の卵」⇒「産み落とす卵そのまま」と表現し、季語の「穴惑ひ」を持って来て、見事に一句仕上げましたね。  
     毎回感じることですが、一つの情景や場面を見て、そこから連想を押し広げていく勝美さんの想像力・発想力の凄さにいつも感心しています。
     今回も素敵な句を拝読させて頂き、有難うございました。
     

  5. 移ろい迅しを拝見しました。
    相変わらずの達者な詠みっぷりに吃驚です。
    俳句は想像と創造の世界です。
    勝美さんにはすべて備わっている。
    これからもいろいろご指導ください。
    今回のお気に入り二句です。
    干しうをを殊に好まれ生身魂  /勝美
    秋出水収まり渓谷貌戻す   /勝美

  6. うらわの俳人様、モバラ座の渓春です。移ろい迅し以下いただきです。
    ✤潜みゐて花の如くに虫鳴けり /勝美
    可憐な花ですね、そこに潜んでいる小さな虫と愛をささやいているようなメルヘンチックな句趣があります。チロチロ、チロチロいう声が聞こえてきそうです。ロマンチストの勝美さんならではの珠玉の句です。
    ✤秋哀れ石に刻みし無縁仏 /勝美
    秋だけでもなぜか悲しい響きがあるのに、無縁仏ですか。ますます哀しい。墓も引き継ぐ人がいなければいずれは無縁仏になります。自分もそうなりませんようにと祈るばかり…。
    ✤秋出水収まり渓谷貌戻す /勝美
    東北北海道の台風被害は心が痛みます。大雨で濁流となった渓谷の景観も写真のように落ち着いてきたでしょうか。岩泉の龍泉洞が水害で水没して、やっと回復しつつあるようですが、元のままに復帰するのは難しいかも。十数年前に訪れたとき、地底湖のドラゴンブルー、この神秘な色と透明度にとても感動したことを思い出しました。
    ✤干しうをを殊に好まれ生身魂 /勝美
    「生身魂」という季語は初めて知りました。そうでしょうね、生身の私としても干しうとお酒があれば満足です。
    ✤産み落とす卵そのまま穴惑ひ  /勝美
    このかぼちゃは確かに卵の形です。「穴惑ひ」この季語も初めて知りました。蛇が自分が入る穴がわからなくてうろうろしているのですかね。ホームレススネーク(笑)我が家の西側の竹藪は蛇の巣があるらしく、時たま庭に遊びに来ます。マイホームがあるおかげで秋になった最近は見かけません。
    今回も豊かなイマジネーションの俳句ばかり…、季語も勉強になりました。それにつけても季語はいろいろあって面白いと改めて俳句の奥深さに感心しました。有難うございました。

  7. 勝美様
    ご無沙汰していますが、何時も「ひねもす」俳句を拝読しながら勉強させて頂いています。
    佳句揃いの「移ろい(ひ)迅し」の五句のうち、小生の一番好きな句は
    「秋出水収まり渓谷貌戻す」の一句です。自然界の変化と静寂への感動をひしひしと感じさせて呉れる句に感心しています。
                       千葉の俳諧老人

  8. あわさん おはようさん。コメントありがとう。今回も写真から連想
    を自由に伸ばせて楽しかった。返事の遅れたのは土、日と富山の句会に招かれて行って来たから。

  9. 喜信さん こんにちは。コメント有り難う。何時も励みになる鑑賞を頂いて楽しく読ませて頂いてます。今回は見立ての句でしたがお目に止ればさいわいです。

  10. 由人さん こんにちは。富山へ俳句指導(?)に行っていました。
    由人さんのように自由度の高い作品はなかなか作れません。もっともっと勉強します。

  11. 溪春さん こんにちは。コメントありがとう。使ってみたくなる季語ってありますよね。冒険すると新しい展開が待っています。

  12. 高達さん こんにちは、お元気ですか。何時もひねもす俳句をご覧頂き感謝です。石神井川の人工的な流れも見ようによっては渓谷に見えるから不思議ですよねえ。

  13. 勝美さん昨日の校正と今日の再校お疲れです。私は今日曇りですが鎌倉の海蔵寺に萩を見に行ってきました。宝戒寺の萩とは違った味わいがありました。山門とのコントラストが素敵です。勝美さんとの吟行会のおかげで10句作れました。
    秋出水収まり渓谷貌戻す 勝美
    静かな感じの句、川面の光のあたり方が抜群。
    干しうをを殊に好まれ生き身魂 勝美
    年取ると魚好きになりますよね。写真の魚美味しそう。一杯飲みたくなります。生き身魂ゆえ。
    産み落とす卵そのまま穴惑ひ 勝美
    蛇の卵は見たことがないのですがこのカボチャのようなのかな、それにしても穴惑いの季語よくぞと思う。

  14. ハカリさん コメントありがとうございます。今回のひねもす俳句は写真に負うところ大だと思います。カボチャを蛇の卵に見立てるのは噴飯ものでしょうかね。萩寺の萩は詠み応えがあったでしょうね。こちとらは黙々下働きでした。富山の吉村さんからお礼のメールが来ました。輪が広がる感じがします。よろしく協力お願いします。

  15. ひねもす俳句「移ろい迅し」のご紹介を戴きながら大変遅くなりました。
    28日、新結社「航」の第1回俳句大会が何とか無事に終りました。ミニ結社なりに会員同人併せて60名弱が参加、何せ皆素人の集りがやるので舞台裏は大騒ぎでしたが、兎も角無事に済んでホッとした所です。
    改めて勝美さんのご苦労が偲ばれます。
    遅れ馳せながら「移ろい迅し」について、
    ◆秋出水収まり渓谷貌戻す /勝美
     貌戻すで決りました。今年は出水の被害が大変でしたが人の生活も早く戻って欲しいですね。
    ◆干しうをを殊に好まれ生身魂 /勝美
     生身魂の生命力が俳諧味と共に感じられ、秀抜!何たって干しうをが効いています。こんな句が詠みたいですね。

  16. 要介さん 「 航」の出帆おめでとうございます。忙しい中コメント下さって感謝です。これからもどうぞよしなに。

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